小2の娘が「良いことがあったの。支援学級の子が朝、交流学習で教室に来て入る時に『おはようございます。交流に来ました。入っていいですか』とあいさつしたら、皆が『いいよ』と返事をした」と。何日か前には娘から「笑っている子が多くて嫌だったから友だちと先生に言いに行った」と聞いていたのでほっとしました。でも、これからまた嫌なことがあり、娘が言いつけするようなことがあったらどう話していけば良いでしょうか。

回答者 秋田一臣さん(北海道子どもセンター相談員)

  毎回あいさつをする子の“頑張り”に寄り添っている娘さんに、私もほっとしています。娘さんが「嫌だった」「良かった」と感じたことはとても大切なことだと思います。お母さんには「そう。どうして嫌だったの?」「良かったと思ったんだ。良かったね」と共感とともに「教室の笑った子はどうして笑ったのかな?」「皆がちゃんとあいさつを返せたのはどうしてかな?」などと、この小さくて大きな問題を、親子で考える対話の機会にしてほしいです。
 ところで、元小学校教員の私には忘れられない光景があります。入学2週間ほどでまだ緊張感が抜けない1年生の子どもたちに絵本を読み聞かせました。主人公のカバくんはいろいろと挑戦するのですが、失敗の連続です。“でもまあいいか”“ぼちぼちと行くよね”と、カバくんはつぶやきます。子どもたちの肩からスーッと力が抜けていくようでした。
 そこでお母さん、障がいを扱った優れた絵本を娘さんと一緒に読んでみてはいかがですか。図書館でも紹介してくれますよ。感受性の豊かな年齢期にこそ出会い、親子でゆっくりとお読みください。そして、先生にもこのいきさつをお伝えしたら、学級の中での学びにつなげることができるかもしれません。
 子どもたちの毎日は失敗との出会いです。誰かが気づき、皆で育っていくのが学級です。そんな一人一人の小さな声やうなずきに気づき、大切にしている先生はすてきですね。
 娘さんは、今回クラスの励まし屋さんになったのかもしれません。毎日の娘さんとの対話を楽しみにしていけたらいいですね。娘さんと一緒にぼちぼちと歩んでいくことを願っております。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。