Newspaper
in
Education

新聞を授業や学校の活動で使って、
子どもたちの学びの世界を広げよう。

「NIE」(エヌ・アイ・イー)はこうした趣旨に基づく国際的な教育運動で、 「Newspaper in Education」の略称。日本語では「教育に新聞を」と訳しています。 新聞には、教科書では追いきれない最近の社会の動きや情報が信頼度の高い状態でリアルタイムで載っています。また新聞づくりは子どもたちにとって「情報を集めて分析、発信する」など、社会人として将来役立つ能力の育成にぴったりです。 「新聞を使って」学校と社会をつなぎ、「新聞を作って」未来を生きる力をつけるため、北海道新聞社は学校や家庭でのNIEをお手伝いします。

NIEが育てる力

■新聞を使って
▽記事を読んで「読解力」「思考力」「情報処理と分析力」「社会への興味・関心」
▽記事を話題にして「聞く・話す力」「多様な考えを受け止め、理解する力」

■新聞を作って
▽取材して「コミュニケーション能力」「情報を選び取る力」
▽記事を書いて「書く・表現する力」「相手の状況を考えて伝える力」
▽紙面を構成して「チームで協力して目的達成する力」「変化する状況に応じて対応する力」


80カ国で展開

1930年代にアメリカで識字率を高め、社会の動きに合わせて教育効果を高めるために全米規模で展開されました。アメリカでの誕生後、世界に広がり、現在は80カ国以上で運動が行われています(世界新聞・ニュース発行者協会調べ)。各国で「民主主義を支え、よりよい市民をつくる」と考えられています。

新聞は学びの宝庫

関心のある物事を検索して調べるインターネットの情報と違い、新聞はページをめくることで自分の予期しない情報と出合います。想定外の出合いが視野を広げ、多角的、多面的な思考や判断を育てます。また新聞の切り抜きから新たな視点を切り開くスクラップ新聞、まわしよみ新聞というツールは年齢に関係なくだれでも取り組める活動です。

NIEタイム

文部科学省の「全国学力・学習状況調査」では新聞をよく読む子ほど正答率が高いという結果が出ています。朝読書のように「NIEタイム」を設けている学校の正答率も高くなっています。登校後の朝の10分間などで新聞を読み、気になる記事を切り取って感想を書くなどの「NIEタイム」の実践を、日本新聞協会は呼びかけています。新聞は「日常的に」「継続して」読むことが子どもの学ぶ力を伸ばすのに効果的です。

日本では1985年から

日本では1985年、日本新聞協会の新聞大会でNIEが提唱されたのが始まりです。それ以前から北海道をはじめとする教育現場では、新聞づくりの指導が一般的に実践されていました。そこに「新聞界と教育界が連携しよう」というNIEの運動が加わりました。現在は全国47都道府県に教育界と新聞界でつくるNIE推進協議会が設立され、地域のNIE活動の核となっています。

北海道新聞も積極推進

北海道新聞社も1997年に専門部署「NIE推進センター(現みらい教育推進室)」を設置し出前授業や社内見学などを積極的に行っています。また、道新こども新聞「週刊まなぶん」を発行するほか、「小学生新聞グランプリ」「新聞切り抜き作品コンテスト」を実施するなど、新聞を通じた青少年育成に力を注いでいます。