Q 受験生です。行きたい高校がありますが、現在の内申ランクでは合格できるか微妙です。その他に行きたいと思える学校が見つからず、第2希望をどのように選んでいいかわかりません。
回答者 井出智博さん(北大大学院教育学研究院准教授)
A 行きたい高校があるということは、素晴らしいことですね。何かを決める時、第1希望が魅力的であるほど、その次の候補はかすんでしまうものです。他に行きたいと思える高校が見つからないということは、きっと第1希望の高校はとても魅力的なのでしょうね。
ところで、なぜその学校に行きたいと思ったのでしょう? 学力に合っている、制服がおしゃれ、家から近い…。いくつかあるとしたら自分がいちばん大事にしたい理由はどれかな?と考えてみてください。紙に書き出してみるのもいいでしょう。そして大事にしたいものから順に並べてみてください。その大事にしたいことを実現できそうな学校はどこかな?と考えてみると、次の候補が見えてくるかもしれません。
その時はその学校に足を運んで、見学をしたり、雰囲気を感じたりしてみましょう。自分の直感も大事です。「ワクワクする」「ぴったり」という自分の中に起きてくる感覚に目を向けてみましょう。体の感覚はあなたに大切なことを教えてくれるものです。
私は仕事柄、子どもたちから将来の夢の話を聞く機会があります。例えば「大きな家に住みたい」という夢を持っている子には、「大きな家に住んで、どんなことをしたいの?」と聞きます。するとその夢にはその子にとって大切なことが含まれているとわかります。
例えば「たくさんの人に来てもらいたい」という子は家族や友達に囲まれて生活することを大事にしたいのかもしれません。でも、それは他の方法でも実現することができます。そんなふうに自分が何を大事にしたいかを整理し、その後ろにある“気持ち”に目を向けてみると選択の幅を広げて考えることができるようになることもあります。
進路を決めるというのは大きな決断です。後悔の無い決断ができるといいですね。
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いで・ともひろ 専門は臨床心理学。1976年熊本県出身。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。