失敗をさせたくない、できるだけたくさんの成功体験をして成長してほしいと願い、手をかけながら息子と一緒に頑張ってきました。4月から小学校に入り、勉強はもちろんのこと難しいことや苦手なことにぶつかる場面が増えてきました。2学期が始まり、何かと心配でたまりません。今までの子育てで良かったのか不安になっています。

回答者 那須野郁子さん(北海道子どもセンター相談員)

  息子さんを大切にして、いつも一緒に過ごしているお母さんの姿が目に浮かびます。きっと、息子さんが「やりやすい」ように気配りを欠かさなかったのでしょうね。
 でも、ゆっくり振り返ってみてください。息子さんは幼稚園の時にも、ちょっと難しそうだけどチャレンジして、やってみたらできるようになり、先生やお母さんに褒められて成長するという経験を何度もしてきたのではないでしょうか。
 学校も同じです。授業だけでなく、遊びや行事など学校生活の全てで、1年生はできたりできなかったりの繰り返しです。友達の頑張りを見てやる気が出たり、仲間の励ましで最後まで挑戦したりと、いつも子ども集団の中でもまれながら成長していきます。だから、できないことや失敗などは子どもの成長にとって貴重なもので学びの糧にもなるものです。「失敗」もこのように捉えると、とても楽な気持ちになれると思いませんか。お母さんが心配し緊張していると、それを感じる息子さんの心が重くなってしまいます。
 これからは、もう少し息子さんとの距離を置いてみてはいかがでしょうか。突き放すのではありません。手をかけずに目をかけていこうということです。ゆとりが出てきたら、息子さんだけでなく周りの友達も一緒に見守れるといいですね。周りのお母さんたちとの交流のきっかけにもなると思います。そして、「できた時」や「いいことをした時」にはうんと褒め、「まずいことをした時」にはしっかり叱る厳しさも大切だと思います。
 今年は、コロナ禍の中でいろいろな制限があります。そんな中で先生たちは、子どもたちが少しでも楽しめるものを工夫されていることでしょう。これから学習発表会もありますね。子どもも親も達成感を味わい喜び合う機会が持てるといいですね。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。