中学1年生の男子です。実は、今でも度々「おねしょ」があり悩んでいます。親は以前から「そのうちに自然と治ることだから…」と言っていますが、中学生になった今の僕にとって、とても大きな悩みです。

回答者 国保いずみさん(北海道子どもセンター研究員)

  小学生の時は成長とともに少しずつ回数も減ってきたことから「そのうちに治るのだろう」と思っているうちに中学生になり、改めて大きな心配事になってきたのですね。
 「おねしょ」の原因には、身体的なことのほか、いくつかあります。心理的ストレスなども深く関係します。とりわけ今まで経験したこともない新型コロナ禍や新しく始まった中学校生活で学業や友人関係などの環境が大きく変わったことも「おねしょ」の改善に悪影響を及ぼす心理的ストレスになっていないかなと思ったりしています。
 幼児期の「おねしょ」は、小学校入学後は一般的に病気と捉え「夜尿症」と呼びます。夜尿症は、確かに自然と治ることが多いですが、10歳で5~7%に症状が続き、15歳でまだ1%が残り、成人になるまで続く人もいると言われています。私も養護教諭の仕事をしている時代、度々小学校の高学年や中学生の保護者から相談されることがあり、人知れず子どもの「夜尿症」で悩む親子が結構いることを感じていました。
 改善するには「水分は寝る前にはとらない」「就寝前、おしっこに行く」「塩分を取り過ぎない」「体を冷やさない」「規則正しい生活を送る」などの生活習慣を基本とした上で、さまざまな原因から総合的に診てくれる病院での治療を検討してはどうでしょうか。
 「夜尿症」の治療医学は比較的近年まで解明されていないことが多かったため、病院で治療する病気とは捉えられていませんでした。しかし、医学の急速な進歩によって、十数年前ころからは、適切な治療をすることで夜尿の回数を減らしたり、早期治療ができるようになりました。
 まれに見つかるぼうこうや腎臓の病気などの早期発見の観点からも、医療機関への受診が勧められています。この機会に改めて、おうちの人に今の自分の気持ちも伝えながら、受診も視野に入れて相談してみることをお勧めします。あなたの心配が、早くなくなることを祈っています。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。