休日はゲームざんまい。朝から夕方までゲーム機を離しません。学校の宿題や自主学習はやるのですが、このままでいいのか不安になります。

回答者 伊藤崇さん(北海道大学大学院教育学研究院准教授)

  ゲームとのつきあい方は、悩ましいところですね。私たち親の世代も小さい頃からテレビゲームに親しんできました。子どもの気持ちが分かるだけになおさらです。
 ご相談によると、勉強する時間は取れているようですので、その点で心配はなさそうです。とすると、ご相談者が抱えておられる不安の中身は何でしょうか。
 子どもとゲームの関係について、いろいろな親御さんに聞いてみますと、まっさきに挙げられるのは健康への悪影響です。例えば視力の低下、運動不足、睡眠時間が短くなることなどです。確かにゲーム機を手放させて、外で元気に遊ぶように言えば親の不安はなくなるかもしれませんね。公園で走り回れば夜もぐっすり眠ってくれるでしょう。
 ただ、ご相談者がもっておられる不安には、また別の側面もあるのではと思います。それは、子どもがゲームの世界で何をしているのか、そもそも何が楽しくて夢中になっているのか、理解できないことで起こる不安です。
 お子さんが一日中ゲームを楽しむのは、それだけそのゲームに魅力があるからでしょう。お子さんにとって大切なものがゲームの世界にはあるのかもしれません。大切なものを無理に取り上げられたら、どんな人でも悲しくなってしまいます。子どもも同じでしょう。
 すると、大人自身がゲームの世界に飛び込んでみて、子どもが感じる魅力や大切にしていることを理解することも不安を和らげる方法だと言えそうです。例えば、お子さんと一緒にそのゲームをプレイしてみてはいかがでしょうか。
 大人にとっては単なるゲームでも、お子さんには大切なものなのでしょう。健康的な生活を送ってもらうにしても、お子さんが大事にしていることをまずは認めて、そこから出発することを考えてみてもいいかもしれません。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。