Q ぼくは作文を書くのが苦手です。みんながスラスラ書いているときに、なかなか書くことができません。何を書いていいのか、どんなふうに書けばいいのか、わかりません。どうすれば作文をじょうずに書くことができるのでしょうか。
回答者 太田一徹さん(北海道子どもセンター研究員)
A その気持ち、よくわかります。私も子どものころ、作文が苦手で大嫌いでした。あなたもまわりから作文用紙に鉛筆を走らせる音が聞こえると、なおさら書けなくなるのでしょう。でも、この質問はあなたの気持ちや悩みが伝わってくる、とてもいい文章です。
「作文」って何なのでしょう。あなたも、おうちの人に学校であったことやおもしろかったことを話すことがあるでしょう。友だちに昨日あった事件や発見したことを話すこともあるでしょう。これは「話す」という方法で他の人に伝えています。「手紙」は伝えたいことを伝えたい人に書くでしょう。これは文字で「書く」という方法です。
話すことも書くことも、どちらも「表現」です。心の中に生まれた思いを「表に現す」ということですね。作文が苦手だった子どもの頃、母に言われました。「話してみて、その通りに書けばいいんだよ」と。低学年の時「せんせいあのね」という書き出しで、先生に話すように文章を書いたことはありませんでしたか。それが「作文のもと」なのです。
では作文を書けるようになるには、何をすればよいのでしょう。たとえば、大好きなおばあちゃんや転校した友だちに手紙を書いてみるのもいいですね。担任の先生に「日記」という形で書くのもいいかもしれません。返事がくるとうれしいもの。心がつながってくるように感じます。
作文は「上手に書かなければならないもの」ではないのです。うれしい!楽しい!悲しい!つらい!など心が動いたことを、伝えたい人、聞いてくれる人、大切な人に、伝わるように書く「手紙」なのです。
書いていくと「書くって意外とおもしろい」と感じ、何げない毎日の中からキラリと光るものを見つけられるようになります。「心動かしじょうず」になることが「作文じょうず」につながると思います。自分のできるところから試してみてください。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。