Q <小4女子>小さい頃からずっと一緒にいた犬のペロが急に死んでしまいました。お医者さんは「前から病気があったようだ」と言っていたけど、前の日までとても元気だったのに。悲しくて何もできません。ふと思い出して息苦しくなって、何も考えたくないです。
<母親>うちの子、愛犬のペロがいなくなってから気が抜けたみたいで、時々、涙ぐんだりしています。あまりしゃべらなくなって食事もほとんど食べません。このままじゃダメと思って外出に誘ったりするのですが、まったく応じてくれません。
回答者 安達潤さん(北海道大学大学院教育学研究院教授)
A 大好きで仲良しだったペロがいなくなってしまったこと、悲しくて寂しくて、理由もはっきりしなくて、どうしていいかわからないと思います。思い出すのもしんどくて、何もかも忘れたいという気持ちになるかもしれません。
天国のペロも急にあなたに会えなくなって寂しく悲しく思っていることでしょう。あなたとペロの気持ちがなんとか通じ合うとよいですね。そのために、少しつらいかもしれないけれど、ペロがいた頃の話をお母さんと一緒にいろいろしてみるとよいかもしれません。
もう一度、ペロをあなたの心にはっきりと映し出してあげてください。小さい頃からの写真などをお母さんと見たりしながら、どんなに仲良しだったか、どんなに楽しかったかを話して、天国のペロに一緒にいてくれたことの感謝の気持ちを心で伝えてあげましょう。あなたとペロはきっと通じ合えると思います。
お母さんへ。かけがえのない身近な存在が急にいなくなる事実を受けとめるのはとても難しいことです。考えないようにして忘れようとすることもあります。
でも悲しみを癒やすことなく、記憶が思い出になっていくことはありません。ですからお子さんのつらい気持ちをお母さんが受けとめながら、お子さんがペロとの体験や思いを語るお手伝いをしてあげてください。
ただひたすらに悲しい気持ちも、それを言葉にすることで、少しずつ、その悲しさの意味が見えてくるものです。語りを尽くすことで、きっとお子さんはペロとの心のつながりを再発見されると思います。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。