Q 新型コロナウイルス問題で休校期間がさらに延長になり、高校受験の勉強が進みません。好きな吹奏楽部の活動もできず、イライラしています。つい将来のことを悲観して考えたくなります。どうしたらいいのでしょう?
回答者 橋本尚典さん(北海道子どもセンター研究員)
A 大変なことになってしまいましたね。子どもはもとより、大人もどう考えたらいいのか、この先、どうなっていくのか不安を抱えています。そして、休校が続くとみんなで学び合う学校というところの大切さを改めて感じますね。
高校入試のことは不安でしょうね。周囲のみんなが不安だと思います。学校の先生方も休校の間、君たちが学校に来たときにどんなふうに迎えるか、どんな形で授業を進めたらいいのか―一生懸命準備をしている最中です。
さて君の悩みについて明確な答えになりませんが、私は次のように考えます。入試については、文部科学省も配慮すると言っているので、例年とは違う出題傾向になるのではないでしょうか。
今の時期は自分に与えられた時間ととらえ、例えば自分の興味あることについて調べる、本を読む、映画を見るなどに使い、「考える」ことを試みてほしいなと思います。もう君も気づいていることと思いますが、勉強の基本はまずは「考える」ということです。
なんでこういう答えが出るのか、どうしてこんな事件が起きたのか、どういうふうに書けば相手に伝わるのか、コロナってそもそも何? 等々、覚えることは簡単ですが、その仕組みや原理はどうなっているのかを考えることが、最終的に自分の学力を伸ばすことになるのだと思います。だから、今は興味があることを自分で調べ考える期間としませんか。
そしてもう一つは、困っていることを一人で抱え込まないで、家族や友達と語り合うことが大切だと思います。部活ができないイライラも君だけではなく、仲間にもいるはずです。同じ悩みを持つ人たち同士が語り合うことで次のエネルギーが湧いてくるものです。
「ウイルスとの戦争」だという意見もありますが、私たち人類は、多様なウイルスとともに存在する生物です。「戦争」ではなく、ウイルスと共存して「平和」な世界を築いていくことを、この時代を一緒に生きる仲間として考えたいものですね。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。