高学年になって、学年や全校行事の準備、委員会活動などが毎日のように入ってきて休み時間がなくなります。そんな時、いらいらして落ち着かなくなります。不満や文句を言いたくても、周りから叱られそうで言えません。どうすればいいのでしょう。

回答者 太田一徹さん(北海道子どもセンター研究員)

  そうですよね。その気持ちよくわかります。高学年になると、委員会活動も入ってくるし、全校行事でも「全校のリーダー」としての活動が一気に増えます。その準備・取り組みの時間に、休み時間が当てられることは少なくありません。
 「こんな仕事ばかりじゃ嫌だ」「もっと遊びたい」と思うことは悪いことではありません。子どもにとっては当然です。世界の多くの国や日本が批准(ひじゅん)(国として認めること)している「子どもの権利条約」では、休むことと遊ぶことは子どもの権利として認められています。
 子どもが人として育つためには、遊ぶことも休むことも大切です。「遊び」は子どもにとって「学び」であるといわれます。体を使い頭を働かせ、楽しみながら人として成長していく。疲れた時に何もしないでぼーっと心を落ち着かせることも大切です。頭も心もリラックスさせ、次へのやる気を生み出すことにもなります。「遊びは子どもの主食」です。
 でも、先生や周りの友だちの目も心配なのですね。私が5年生の担任だった時に出会った子がいました。休み時間を使った委員会活動が続く中、学年の合唱コンクールへ向けた練習も休み時間に行うことになった時、その子は「オレは体を動かして遊ばないと生きていけない人間なんだよね」と発言しました。
 笑う人は誰もいません。それをきっかけにみんなが本音を出し合いました。同じような思いを抱えている友だちがたくさんいたのです。合唱の取り組みも成功させたいという願いも出る中で、気持ちよく取り組む方法を生み出すことができました。
 ですから、あなた自身の本当の思いをみんなに伝え、担任や委員会の先生と一緒に話し合ってみてはどうでしょう。同じ思いの人はいると思います。良い話し合いができるといいですね。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。