「いっしょに読もう!新聞コンクール」に向けた富良野高の取り組みについて語る北村教諭

 富良野高は、本年度の第14回「いっしょに読もう!新聞コンクール」で、全国15校が選ばれる優秀学校賞を初めて受賞した。道内校の同賞受賞は7年ぶり4校目。同校でNIEに取り組む北村智裕教諭(50)は「生徒たちの努力が評価された結果で、ありがたい。これを励みに応募を続けていきたい」と喜んでいる。
 同コンクールは小中高生と高専生が、昨年9月までの1年間の新聞から選んだ記事を読み、家族や友達らの意見も聞いて感想をまとめて応募する。全国と海外から5万9248編、道内から1339編が寄せられた。個人への優秀賞30編などのほか、同校を含めた優秀学校賞や学校奨励賞177校が選ばれている。
 同校からは2020年度に1年生約130人が夏休みの課題として初応募。21年度は2、3年生計200人ほど、22、23年度は1~3年生計約300人が参加した。その結果、20年度から3年連続で学校奨励賞を受賞してきた。
 ただ、応募数の多さだけが優秀学校賞の受賞理由ではない。北村教諭は「応募初年度の1年生の感想文には稚拙さがあった。その生徒たちが3年生になると、確実に感想文の質も向上した」と振り返る。
 応募作品では、観光地の富良野だけに「観光関連の記事が多かった。そのほかコロナ禍やスポーツ、物価高騰といった記事の感想もあった」。このうち2年生の須藤詩さんは「10代女性に心の手当」の記事(8月9日北海道新聞朝刊)への感想で、北海道NIE推進協議会会長賞を受けた。
 同校は21年度からNIE実践指定校となっている。朝学習の時間に新聞コラムを読んで短い感想文を書いたり、地歴公民の授業で毎月1回、生徒が政治、経済や環境問題の記事の要約と意見、感想を発表したりする。北海道新聞の記事を切り抜いて台紙に貼り、自らの考えを書き込む「新聞切り抜き作品コンテスト」にも参加。本年度の中村瑠愛さん(3年)を含め、これまでに生徒6人が優秀賞を受賞するなど、多彩なNIE活動を通じて新聞情報を読み解く学びを深めている。
 新聞に関わる取り組みについて北村教諭は「国語と英語、社会のほか、理科や家庭科、保健体育などにもNIEを広げて行きたい」と述べ、一層の拡充を願っている。(福元久幸)