私は大きな声を出すのが苦手です。緊張しやすく、授業でも先生に当てられると頭が真っ白になり、小さな声になってしまいます。まもなく学習発表会(学芸会)ですが、ステージで大きな声を出さなければなりません。とても不安でドキドキします。

  先生に当てられると、ドキッとして声が出なかったりすることってあるよね。でも、それって特別なことではないと思うよ。きっと誰もが経験しているはずです。私もいっぱい失敗したり間違えたりしちゃうんです。
 あなたは「もっと大きな声が出せたらいいな」と思っているんだよね。だったら少しずつ自分に挑戦してみてはどうでしょう。「今日は、ちょっとだけ…」「近くにいる○○ちゃんに聞こえるように」という挑戦を。すると、その変化に気づく友だちが出てくるよ。みんなそれぞれ自分の苦手なことを何とかしたいと思って生きているのだから。
 そしてもう一つ、先生や友だちに「ドキドキしてなかなか大きな声が出せないの。でも少しずつ努力するので応援してください」と話してみませんか。自分の弱さを正直に話したら、きっと「応援したい」という人が出てきますよ。
 でも、大きな声を出せることが一番大事なことではないんじゃないかな。大きくはないけれども、静かにやさしい声で人の心を揺さぶる人もいます。大切なのは、自分の思いが伝わることだと思います。
 あなたのように不安を抱えている人は、同じような心配をしている人の気持ちが人一倍わかるはずです。それは人としての素晴らしい力を持っているということです。そんな人こそが「大丈夫だよ。私もそうだから」と声をかけてあげられるのです。応援しています。(太田一徹

 おおた・いってつ 北海道子どもセンター研究員。小学校教諭。北海道作文の会会員。1955年、空知管内妹背牛町生まれ。

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