Q 2人の子どものことです。小6の兄が友達との折り合いが悪く5年生の後半から不登校です。最近は小3の妹も「休みたい」と言うようになりました。妹の学校生活に問題はないように感じるのですが、兄の手前「絶対に行きなさい」とは言えず困っています。
回答者 長谷川敏之さん(北海道子どもセンター研究員)
A きょうだいの不登校をきっかけに「登校しぶり」が始まることは珍しいことではありません。それなりの理由があるものです。
一つは「うらやましい」と思う気持ちです。家での自由な生活がいいとか、お母さんと過ごせるお兄さんがうらやましいとか、そういう気持ちも起きがちです。それに、心配そうなお母さんが気になっているのかもしれませんね。
もう一つは学校生活の変化です。新型コロナ対応で友達と近づきすぎない、給食時間もおしゃべりはしない―そんな規則ずくめの生活は楽しくないですね。また3年生は「35人学級」から「40人学級」に切り替わります。友達関係が変わったり、宿題も多かったりで我慢することが多いと思います。
そんな妹さんにとって今必要なことは、学校生活を肯定的に捉えしっかり目を向けられるようにしてあげることです。愚痴を人に聞いてもらうことだけでも気が晴れますし、頑張ろうという思いも湧いてきます。特にお母さんに聞いてもらえると、見守られているという安心感や勇気が出てきます。もしかすると妹さんはお兄さんのこともあり、家で学校のことを話しづらく感じているのかもしれません。ぜひお母さんから積極的に学校での出来事を聞き、認めたり、ほめたりしてあげてください。前向きに考えることができれば登校もスムーズになると思います。
とは言え、お兄さんのことが気になり学校の話題に触れづらいというお母さんの気持ちもわかります。「きょうだいは別」と割り切ってはどうでしょうか。兄と妹を比べることなく、お兄さんを応援し励ましてあげてください。担任の先生と相談しながら明るく接することが大切です。また、良いきっかけがあればお兄さんのことをどう思っているのか妹さんに聞いてみるのもどうでしょうか。親子だけでなくきょうだいの理解も支え合う大きな力になるのではと思います。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。