Q 児童会役員選挙で、私の学級からAさんが立候補しました。担任の先生は「みんなで応援してあげようね」と言いましたが、私は隣の学級から立候補したBさんの方がふさわしいと思い、Bさんに投票しました。でも翌日、先生から「この学級でAさんに投票してくれない人がいたのは残念だった」と言われ、私はみんなを裏切って責められたような気持ちになり、心が晴れません。
回答者 国保いずみさん(北海道子どもセンター研究員)
A 先生の「残念だった」という言葉や、周りのみんなにもそのような目で見られるのではないかと不安な気持ちになるなんて、とてもつらいですよね。気持ちは分かります。
昨年まで同じ学級で、信頼されているBさんがふさわしいと思い投票したあなたは、責められることは何もありませんよ。先生も自分の学級からAさんが立候補しただけに、ちょっと力が入り過ぎたのかもしれませんね。
しかし、あなたがいい児童会を作るためにこの選挙に真剣に向き合い、悩みながらも自分の考えで投票したことは、素晴らしいことです。選挙はその人が自由な意志によって行う一人一人に与えられた権利です。
ちょっと難しいかもしれませんが、これは日本国憲法や子どもの権利条約でも示されている「思想・良心の自由」の権利であり民主主義の基本でもあります。ですから、後ろめたい気持ちになることはありません。だれに投票したかを話す必要もないので、気にせず学校生活を送ってよいのです。
児童会の役員を決める選挙はいろいろな方法でされているようです。児童会は小さな社会として民主主義を学ぶ大切な場です。ですから、どんな方法でするにしても「個人の自由な意志」が尊重されなければなりません。今後のそうした選挙の方法やあり方についても、先生と学級のみんなで話し合って考えていけるといいですね。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。