Q 僕の弟は小6で特別支援学級にいます。僕が小学校の時は一緒に遊び、登校も一緒でした。多分、弟は中学校に入学しても僕にそうすることを期待すると思いますが、僕は部活もあるし、新しい友達もいるので、それは無理です。僕は冷たい兄なのでしょうか。もう一つ心配なことは中学校では特別支援学級に対して偏見を持っている人がいて、弟がばかにされたり、僕自身も「あいつの兄だ」とうわさされたりするのではないかということです。
回答者 橋本尚典さん(北海道子どもセンター研究員)
A あなたは、多分弟さん思いの優しいお兄さんなのでしょうね。だから悩むのです。そうでなかったら気にしないはずです。
中学生というのは「自立」を目指す時期です。交友関係も活動の場も広がり、ときには人と衝突したり、思うように物事が進まず、苦しんだりします。そういう経験を通して、大人へと成長していくのです。
弟さんも中学校で新しい友達ができたり、新しい勉強をすることで成長して、自分の人生を築いていくでしょう。弟さんに対しては、長い人生の中でいろいろと相談に乗ったり、困った時に助けることがたくさんあると思います。ぜひ力を貸してあげてください。
行動を共にしたり直接声をかけなくても、今は気にかけてそう思っていること自体が大切なのです。通常の兄弟と同じようにそれぞれの生活する場所を尊重しながら、自分のしたいことをしてほしいと思います。
もう一つの心配については、そのような狭い見方をする人も世の中にはいますが、あなたのことをきちんと評価してくれる人こそが、あなたにとっての大切な人だと思います。
実は私も兄が養護学校(特別支援学校の昔の名称)に通っていたことがあり、君と同じような気持ちになったこともありました。若い頃は「どうして自分だけ?」と思ったり、面倒見の良い弟でいることに抵抗を感じた時期もあります。そういう葛藤を通じて、社会を見つめたり、さまざまな角度から人に対する優しさとは何なのかを考えられるようになった気がします。私自身に広い視野を持たせてくれたのは、兄がそばにいてくれたことと今は思います。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。