担任の先生はクラスづくりに熱心なのですが、「ノリが大事」などと自分の理想像を押し付けてきます。クラスの多数派は先生と波長があっているようで、違った意見を言うだけでクラスから浮いてしまいます。みんなから少し離れると、先生からは「何だ、その態度は」と怒られます。学校に通うのがおっくうになってきました。

回答者 宮崎隆志さん(北海道大学大学院教育研究院教授)

  クラスの「空気」が作られてしまい、息苦しくなっているのですね。意見が違うのに周りの人たちにあわせなくてはならないとすれば、学校に通うのが嫌になるのも当然です。「空気」というのは見えないルールのようなものですから、先生と共鳴している多数派の人たちには、ルールを守っていないあなたに問題があるように映るのでしょう。さらに先生があなたの態度を怒ると、多数派の人たちは自分たちの見方が正しいと思い込むかもしれません。
 これは、いじめを生み出しやすい状況です。もしも、あなたが心身の苦痛を感じるような行為を受けている場合は、すぐに学校(担任の先生以外でも大丈夫です)や「子ども相談支援センター」などに連絡し相談してください。
 いじめを受けていないとしても、あなたが、先生や多数派の人たちと違う意見を持ち、述べることには何の問題もありません。意見表明権は、子どもの権利として国際的にも保障されています。あなたが悪いのではありません。
 あなたの悩みを親身に聴いてくれる友達がいれば、おそらくクラスの中の出来事を一緒に振り返り、なぜそんなことが起きるのかを考えることができるでしょう。でも多数派が圧倒的ならそんな仲間も見つけにくいかもしれません。一人だと大変ですが、気になる出来事が起きた状況を記録しておき、例えば先生の指示の出し方やそれに対するクラスの人たちの反応のタイプ、自分の思いなどを冷静に振り返り分析してみてください。先生やクラスの動きを観察する立場に立つことができれば、問題点が整理でき、モヤモヤした「空気」から自分を救い出せるでしょう。さらに、自分なりの整理について、家族などの信頼できる人から意見をもらい観察を深められれば、自信をもって問題に向き合い、対応方法を探れるようになると思います。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。