昨年、新型コロナウイルスの影響で休校が続いたときに学校のホームページから宿題をダウンロードして取り組むことがありました。そして今年、学校で1人1台端末が用意され、息子も授業で使う機会が増えたようです。家のパソコンを使うことも多くなり、息子が何をやっているのかわからず、「安全なのか?」と判断がつかないこともあります。私はどう接したらよいでしょうか。

回答者 近藤健一郎さん(北海道大学教育学部教授)

  昨年から、全ての小中学生に1人1台の端末を配備する「GIGAスクール構想」が進みつつあり、子どもたちが学習にパソコンやタブレットを活用することも増えています。お子さんがご家庭でも自ら調べようとするからこそ、なおさら安全性など心配も大きくなると思います。
 学校では、これまでも調べ学習などで、地域の方からお話を伺ったり、図書館の本で調べたりするだけでなく、インターネットを活用していました。1人に1台の端末が用意されることにより、その活用は加速するでしょう。ご質問の心配をはじめ、さまざまな課題があるように思います。
 子どもたちがインターネットを活用するとき、一定以上の制限はかけられないでしょうから、犯罪に巻き込まれない、個人情報を盗まれないなどの安全性は何よりも課題になります。そして、閲覧しているページについて、どのような立場の、誰が、何に基づいて、どのようなことを述べているのかについてきちんと確認するなど、情報リテラシーはとても重要になります。これらの点について、学校でも注意を払って指導していると思います。
 インターネットが整った環境に生まれ育った「デジタルネイティブ世代」のお子さんたちの方が、一般的には、親の世代よりも端末の使いこなし方をよく知っていたり、習得が早かったりすることでしょう。そう考えると、お子さんが何をしているかを聞いて共有することが、各家庭でできる大切なことの一つではないかと思います。いつの時代も、子どもたちの世代が親の世代を超える創造をして、社会は発展してきました。子どもたちの成長を信じて、彼らの意欲をどのように応援できるか、保護者も学校も一緒になって考えていけたらと思います。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。