特別支援学級に在籍している娘が普通高校に行きたいと言っています。大人の言うことに従順な娘がはじめて自分の希望を言ってきました。うれしい半面、普通高校ではうまく適応できないと思い心配です。どう対応したらよいでしょうか。

回答者 岡田智さん
(北海道大学大学院教育学研究院付属 子ども発達臨床研究センター准教授)

  娘さんがどのような経緯でどのような希望を抱いたのか、どのようなイメージを持っているのか気になりました。将来の「やりたいこと」や「つきたい仕事」があるのかもしれませんし、身近に(ネット上でも)あこがれる存在がいるのかもしれません。もしくは「特別支援学級」や「障害」ということに強い抵抗感や偏見を持っていたり、今の学級でしんどい思いをしていて抜け出したいと思っていたりするのかもしれません。どのような理由であれ、自分の人生を自分で引き受け、選択していこうとする感覚、それはお子さんの成長ではないでしょうか。
 一方で、特別支援学校での学びは、自立や職業に向けた支援、個に応じた教育が受けられるといった良さがあります。ただ、特別支援学校に進学すると、やりたい仕事や勉強が制限されてしまうと感じてしまうのもごく自然の感覚ですね。大人の心配だけから無理にお子さんの進路や将来を方向付けるのも、子どもの権利を無視したようで、大人側も葛藤することでしょう。
 でも、幸いにもまだ2年間、時間の猶予があります。できることなら、今のうちから、娘さんの進学したい学校や保護者や先生がすすめたい学校について情報を集め、実際の先輩の話を聞いてみたり、学校祭にでてみたりして、あれこれ悩んでいくと良いと思います。障害があってもなくても、大人でも子どもでも、自分の将来のことは悩むものです。お子さんと一緒に時間をかけて情報収集し、実際に見て聞いて、そしてさらに葛藤してみてください。3年間の中学校生活だけでもお子さんの気持ち(自信や不安、憧れ)は揺らいでいくものです。ご家族とお子さんとの1、2年の時間をかけた動きと思案と葛藤は、きっとお子さんとご家族の成長につながっていくはずです。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。