Q 昨年新型コロナ流行の中で中学校に入り生活が一変し、今もそして将来のことを考えても不安でしかありません。そんな毎日がしんどくて気持ちが沈み、一人でいると涙が出てきて死にたい気持ちになることがあります。
回答者 国保いずみさん(北海道子どもセンター研究員)
A とてもつらく重たい気持ちをよく打ち明けてくれましたね。人生の中で心身が最も大きく変化するなど不安と悩みの多い「思春期」の人たちにとって、このコロナ禍に直面するのは、生きることを一層困難にさせていることでしょう。
そんな中であなたはこの1年以上を本当によく頑張ってきましたね。人間の心は、体と同じように傷ついたり疲れたり、それが大きいと病気になったりもします。今のようなことが続いて重なると心が弱り、エネルギーがなくなっていきます。そのためいろいろなことができなくなり、元気ややる気が出せなくなります。食欲がなく眠れない、また頭痛や腹痛、息苦しいなど体の不調に現れることもあります。さらに心が弱っていくと、孤立した気持ちになったり、自分はダメな人間だと思えてきて生きているのがいやになったりすることもあるようです。
コロナ禍の重なるストレスの中で、かなり心が弱ってきているのかもしれませんね。今あなたが抱えている心の症状はあなただけでなく、このコロナ禍で苦しむ思春期の小中高生に共通して増えてきていることが明らかになっています。
この状態を回復させるためには、まず無理をしないでゆっくり休養すること。しんどい時は学校を休んで音楽を聴いたり好きなものを食べたりして過ごすのもいいでしょう。結果的にそれが「不登校」になってもいいのです。からだや命の方が大事ですから。次に、誰かにじっくりと話を聞いてもらうこと。チャイルドセンターや私の所属する「北海道子どもセンター」などの電話相談窓口は名前を言わなくても話ができますよ。心の症状が重くなると病院での相談やお薬が必要になる場合もあります。
あなたがここで打ち明けてくれたことは、回復への大きな一歩です。あなたは一人ではないし、一人で頑張らなくていいのです。あなたの死にたくなるほどのつらさをきっとわかってくれる人がいるはずですよ。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。