Q 中学生になって、おこづかいをもらうようになりました。親からおこづかい帳ももらったので、がんばって書いていますが、おこづかい帳の「残金」の額と、実際に残っている金額が合わなくなることが多くて、書くのが嫌になっています。どうしたらうまく書けますか?
回答者 鳥山まどかさん(北海道大学大学院教育学研究院准教授)
A おこづかい帳の金額が合わなくなって続けるのが嫌になる気持ち、とてもよくわかります。おこづかい帳に似たもので、生活全体の収支を記録する「家計簿」がありますが、金額が合わず家計簿を続けるのが嫌になった経験をもつ大人は私を含めてたくさんいます。
おこづかい帳を書き続けてきたのは素晴らしいことです。そのおこづかい帳には、あなたが「お金を使った記録」が残されています。あらためて最初から眺めてみてください。これまで買ったもの一つ一つについて、「これは買ってよかったな」と思うものも、「これは買わなくてもよかった」と思うものもあるでしょう。毎月必ず買っているものがあるかもしれません。おこづかいが余った月と足りない月では何が違っていたでしょうか。こうしたことを振り返る記録を残すことが、おこづかい帳をつけるいちばんの目的です。お金の使い方を振り返ることで、お金を使う計画を立てたり優先順位をつけたりすることができるようになります。
したがって金額が合わないことを気にする必要はないのですが、それでも気になるかもしれませんね。金額が合わない理由には計算間違いの他、《1》消費税分が抜けている《2》買ったものの記入し忘れ―などが考えられます。《1》は、レシートをおこづかい帳に貼り付けてしまうのが簡単です。《2》は、買い物のたびにレシートを必ずもらうことと、レシートが出ない買い物はすぐにメモしておくこと。それでも金額が合わない時には「不明金」と書いて、余ったときは「収入」、足りないときは「支出」として記録しましょう。いろいろ試してみてください。いちばん大事なのは、「自分にとって簡単で続けやすいこと」です。ときどき振り返ることも忘れずに。
とりやま・まどか 教育福祉論。1977年札幌市生まれ。
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