もうすぐ卒業して、中学生になるんだけど、このまま中学生になって大丈夫なのかな? 学校では、だれもそんなこと言わないし、ぼくも言わない。家でも。でも、なんだかよくわかんないけども、ちょっと心配な感じ。

回答者 谷光さん(北海道子どもセンター運営委員長)

  新型コロナウイルス感染の世界的拡大で、今まで当たり前と思っていたことが全て変わってしまったね。しかも、これだけ長く続いているので、大人だってみんな不安を抱え、とまどっている。君の心配は当然だし、こうして伝えてくれたことはすてきなことだ。
 子どもにとって、小学校の6年間はすごく大きな成長を見せるときだ。そんな小学校の6年間には、いくつかの節もある。5年生の3学期には6年生を送るための準備を下級生と一緒に進め、6年生になると1年生のお世話をする中で最高学年としての心構えをつくっていく。そうした勉強以外の活動を通して中学生になるための心の準備をしていくんじゃないかな。
 しかし、君たちは昨年、6年生を送る準備の大切な時に学校が突然休みになり、6年生になってから入学式にも参加できなかった。1年生のお世話の活動もなく、運動会や学習発表会などの行事で活躍する場もなく1年が過ぎてしまったんだ。そうした大切な時間と活動の場を奪われたのは本当に悔しいね。「4月からは中学生だね」と言われるともっと不安になるよね。
 「できなくなった」ではなく「かわりにできることがあるかもしれない」と考えることが大切だと言っていた人がいる。私も、そんな言葉を力に毎日努力しているんだ。だから、卒業まであまり時間はないけれど、君が学級や学年のみんなと何をしたいのか、何ができるのか一緒に考えてみてほしい。そのために、まずは、君のこのもやもやした気持ちを、家族や先生や友達に伝えてみてほしい。それが、みんなで考えるきっかけにもなるはすだ。伝え方もいろいろ工夫してみることだ。
 まずは、心のマスクを外して、心を密にして、中学へ進むための準備をみんなでしてみたらどうだろう。こんな状況はしばらく続きそうだ。中学校の先生も君たちを迎えるにあたって、いろいろ考えてくれていると思うから大丈夫だよ。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。