両親の希望で私立中学を受験し、合格し入学手続きをしました。でも、友だちから「何で私立へ行くの…」と言われてしまい、やっぱりみんなと一緒がいいかなと思い、進学を迷っています。

回答者 秋田一臣さん(北海道子どもセンター相談員)

  小学校の卒業も間近になり、私立中学校への入学も迫ってきました。多くの友だちと別れる不安は大きいですね。立ち止まって考え判断しようとしているあなたの姿が見えます。自分の歩む道を納得して決めようとしているのですね。
 ご両親の「希望」とあります。今までのあなたの成長を見てきて、私立での多様な経験の中でさらに成長することを期待していると思います。あなたも一度はそのことに同意し合格しました。手続きも済ませたこの時期ですから「やっぱり私立には行かない」というのは大きな進路変更と言えます。ご両親はさぞ驚かれることと思います。ですからいま一度、あなたの気持ちをしっかりと整理する必要があるのではないでしょうか。
 あなた自身は、何を基準に、私立にするか地元の中学校にするのかを考えているのでしょうか。地元の中学校は家から通いやすく、これまでの友だちとのつながりがあります。私立中学校はそれぞれの校風があり、勉強にしても通学や人間関係にしても強い目的意識がないと厳しい面があるかもしれません。
 「両親がすすめるから」とか「友だちが言うから」などという人任せではなく、あなた自身がしっかり中学校生活で大切にしたいことを考えて、進路を選ぶことが大切です。まずは、あなた自身の考えをしっかりと持ち、その上で私立中学校進学をやめたいのなら、率直にご両親と相談することがよいのではないでしょうか。
 大丈夫です。ご両親はあなたの思いをきちんと受け止めてくれます。それは、あなたが自身の進路を真剣に考えていることにすぐ気がつくからです。人生は長いです。岐路に立つことは今後いくどもあるでしょう。ご両親はいつもそこに立ち会い、思いを共有し支えてくれるのです。

 あきた・かずおみ 北海道子どもセンター相談員。元小学校教員。1949年、後志管内共和町生まれ。

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