幼稚園年中の娘が登園をいやがるようになりました。園の先生に相談すると、園では元気に遊んでいるようです。親としてはどのように接したらよいでしょうか

回答者 川田学さん(北大大学院教育学研究院付属子ども発達臨床研究センター教授)

  子どもから幼稚園に行きたくないと訴えられると、親としては気持ちがザワザワするものですよね。園でいやなことがあるのかもしれないとか、先生と合わないのかもしれないとか、自分の育て方がよくなかったのかなとか、考えてしまうこともあると思います。
 時期的には、年少から年中になるにあたってクラス替えがあったかもしれません。担任の先生も替わったかもしれません。ひとつ考えられるのは、環境の変化に戸惑っているということです。
 幼稚園では、入園してしばらくの間は泣いたりして大変な時期もありますが、慣れてくると園での遊びや友だちに会えることが楽しみになる子が多いと思います。親としては、うちの子が幼稚園に慣れてくれて、友だちもできて一安心ですが、進級の際に“揺り戻し”があることもめずらしくないのです。
 背景には、心の成長があるかもしれません。年少の頃は、泣いても立ち直りが早く、後を引かない姿が強みだったりします。しかし、さまざまな経験を通して、予測力がついたり、相手の気持ちを考えるようになってきます。それは大切な心の成長なのですが、以前はすんなりできたことができなくなったり、新しいことに気持ちの揺れが大きくなったりすることがあります。4歳~5歳にかけて、そのような姿がよく見られることが知られています。
 親としては、無理に行かせるのはよくないのではないかと考えてしまうと思いますが、かといって行きたくないと言ったらすぐに休ませるというのも、子どもにとって最善なのかどうか悩みどころです。そもそも幼稚園や学校というのは、どんなに楽しくとも子どもにとってはストレスがあり、疲れるものでもあります。
 親にできることは、家庭が子どもにとってリラックスできる場になるように配慮すること、そして子どもの話をよく聴くことではないかと思います。幼児にもなれば、案外親の気持ちを察するものです。自分が幼稚園に行きたくないと言って、親を困らせているということも自覚していることがあります。家庭でのふとした会話で、子どもが気持ちを話して共感してもらえると、元気がわいてくるかもしれません。

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