この前、他の保護者と話をしていたら「最近、不登校が増えているのは、簡単に学校を休ませる親が増えたからだ」みたいな話をされました。わが家も子どもが学校に行きたくないという日は無理せず休ませています。これはいけないことなのでしょうか?

回答者 加藤弘通さん(北海道大学大学院教育学院教授)

  まるで不登校の原因が保護者にあるみたいで嫌ですね。確かに不登校が増えていることは事実ですし、似たような話は、学校の先生からもうかがいます。特にコロナ禍で簡単に休むことに慣れたため、欠席へのハードルが下がったのではないかなどともいわれます。
 コロナ禍前後で、欠席へのハードルが下がったのかを検証した研究で、それは認められず、学校生活でストレスが高まると欠席は起きやすくなるということが明らかにされています。つまり昨今の不登校の増加には、親や子どもの欠席に対する意識の変化よりも、学校生活のストレスの高さのほうが関係していそうだということです。
 しかし、少し視点を変えてみると、そもそも休むことは悪いことなのでしょうか? 確かに昔は体調が悪くてもがんばって学校に行ったらほめられた時代もありました。ただ、逆に考えるなら、調子が悪いときに休まないというのは、自分の体調管理がきちんとできていないともいえます。
 そう考えると、時々休みながら学校に通っているというのは、うまく自分の身体の調子と付き合いながら生活しているともいえそうです。
 不登校の定義は、年間30日以上の欠席です。週に1日休み続けると不登校です。したがって、不登校といわれる子たちの中にも、うまく休みながら学校に通っている子たちも少なくないかもしれません。
 また、いざとなったら休めると思えたほうが、がんばれる子だっているかもしれません。働き過ぎ=休めないことが問題な日本社会です。休むことを否定しすぎないのも大事なことのように思います。
 いずれにしても、不登校の要因は、親の意識よりも学校生活のストレスにありそうです。だから、学校のあり方をみんなで考えたいですね。それは過労が叫ばれる先生たちにとっても同じく大事なことだと思います。

 小中高生や大学生、保護者の悩みと、解決に向けた考え方を過去の相談事例などをもとに紹介します。