暗記をするのが苦手で覚えた内容もすぐ忘れてしまい、定期テストや受験が心配です。効果的な勉強方法を教えてください。

回答者 大谷和大さん(北海道大学大学院教育学研究院准教授)

  学校の勉強ではたくさんのことを覚えなくてはいけないので、とても大変ですね。私たちは学習内容を覚える(記憶する)ときに、その内容を頭の中にもみこむ作業をしています。その作業の違いで、効率的に記憶できるかどうかが変わってきます。
 普段、どのようにして内容を記憶しようとしていますか。例えば、英単語を暗記するときに、ひたすら繰り返しつぶやいたり書いたりして覚えようとしていませんか? これは「浅い処理」と呼ばれるもみこみ方で、手軽に行えるものの実はあまり効果的ではないと言われています。つまり、覚えたと思っても実は抜け落ちていたり忘れたりしやすいのです。もちろんやらないよりはマシですが。
 一般的に効果的な方法は、自分の知っていることと関連付けるなど「意味」を考えながら丁寧にもみこむことだとされています(深い処理と呼ばれる)。
 英単語学習について考えてみると、例文や教科書に出てきた文章と一緒に学習することで、文脈と関連付けて記憶することや、単語の頭部分(接頭辞)や後ろ部分(接尾辞)の意味を考えながら覚えることなどが挙げられるでしょう(例:unhappyは否定を意味するunがhappyについているので、不幸せだ)。
 これは、暗記を伴う学習全てに言えることです。一見、面倒くさそうですが、忘れにくいと考えられています。余談ですが最近、私の名前(大谷)を大学生から覚えてもらいやすくなった気がします。どうも「大谷翔平選手と同じ名字だ!」と関連付けて記憶してくれているようです。
 ちなみに、友だちと学習することは、内容をよりよく記憶するうえでとても重要です。学んだ内容を人に分かりやすく伝えようとするときには、学習内容をより深く丁寧にもみこむことになるからです。
 当然、意味を考えながら記憶することには時間がかかります。なので、先生やご両親からよく言われることだと思いますが、早めからテスト勉強に取り組むことが重要なのは言うまでもありませんね。

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