息子が春から小学2年生になるので、そろそろ働きに出ることも考えています。放課後は何年生ごろまで子どもと付き合ったらよいのでしょうか? 働くにしても息子を学童保育所に預けるか、自宅で留守番させるのが可能かなどいろいろ考えています。

回答者 川田学さん
(北大大学院教育学研究院付属子ども発達臨床研究センター准教授)

  「子どもの放課後」というのは、現代の親としては悩ましい問題ですね。かつてであれば、家に親や祖父母などがいたり、小学生になればきょうだいや近所の異年齢集団で、何となく面倒を見てもらったりして過ごしていたものだと思います。今は子どもの自立と安全、交友関係、家庭の経済的な事情、親の就労といったさまざまな要素を考えていく必要があります。
 子どもの自立と安全は心身の発達の問題でもあります。特に自分の状況を理解し、うまく言葉で説明する力の育ち具合が、自分の身を守り生活することにつながります。小学1年生は、まだ幼児の心を多分に残しており、自分の状況を客観的にとらえる力は限られています。加えて、就学前とは異なり子どもだけで登下校するなど生活も大きく変わり、学校の1年間の流れも見えていないので何かと不安や疲れも出やすいかもしれません。2年生になると、小学生としての自信と自覚も育ってきて、精神的にも視野が広がり、自分の内面や状況を言葉で説明する力もついてくるでしょう。
 保護者の働き方については、各家庭の事情や希望もありますので、一概に言うことはできません。ただ、子どもは思う以上に親をよく見ているものです。ですから「〇〇も2年生になるし、お兄さんになってきたから、お母さんも働いてみようと思うんだけど…」というように、夫婦間はもちろん、子ども本人にも親の思いを率直に伝えてみると良いと思います。それによって子どもは自分が信頼されていると分かるし、自分を気にかけてくれていることがうれしく、学童保育へ行くことや自宅での留守番にも前向きになれることがあります。
 新2年生ですと、安全と子どもに関わる経験の面から、学童保育の利用をお勧めします。学校併設型もあれば民間の施設もあり、それぞれ特色や利用料の違いがあります。実際にお子さんと足を運んで、子ども自身の意見も聞きながら決められると良いですね。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。