Q 「いい子」でいるのがつらいです。学校では勉強やクラス委員や部活の役割などを積極的にこなしています。周囲からは「人望もある優等生」と見られています。問題が起きているわけではないのですが、とにかく最近疲れるのです。
回答者 岡田智さん
(北大大学院教育学研究院付属子ども発達臨床研究センター准教授)
A 学校でも家でも一生懸命頑張っているんですね。中学生になると、自分の在り方も人それぞれ、多様になります。大人の言うことに耳を傾けず、自分の思いにまい進する人や、頑張っている人を批判する人もいるでしょう。一方で、あなたのようにすべきことに一生懸命取り組んでいる生徒もいて、「これでいいのか」と葛藤しながら日々を過ごしている人もいると思います。
「最近疲れる」ことを除けば、あなたの頑張りは自分が良いと思って行動している限り、非常に良いことです。「人は人、自分は自分」というように、10代20代は時間をかけて自分の在り方を試していく時期です。あなたが今悩んでいることは、自分を作り上げていくための貴重な経験といえます。
しかし現在、つらくなることもあるようですね。勇気を出して「悩みごとナビ」に相談されたと思いますが、文面からは周りの人々を気にかけていることも十分に見て取れます。
もし自分の考えや気持ちを後回しにして、周りに気を使っているようでしたら、それは当然疲れることです。いつでも頑張っていて、自律神経を過度に使っている状況かもしれません。体や心は無理をし過ぎてしまうと不調をきたします。夜眠れなくなったり、おなかが痛くなったり、何げないことに焦りやイライラが生じたり。
心や体がきついときは、「まぁいいや」と取り組みを休んでみたり、周りからの期待や要求に「ちょっと無理」と断ってみたり、時折「頑張らないこと」もあなたの心と体にとっては必要なことです。
まずは家族でも先生でも信頼できる人に、自分のことを話せそうな人に、つらさや体や心のことを話してみましょう。周りに話せそうな人がいない場合は、スクールカウンセラーや守秘義務がある(相談を秘密にしてくれる)相談機関に相談することもできます。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。