忘れ物が多く、授業に持って行く道具を忘れたり、宿題を忘れたりします。お母さんは「そんなんじゃ、ちゃんとした大人になれないよ」と言います。どうしたら治るでしょうか。

回答者 関あゆみさん(北海道大学大学院教育学研究院教授)

  忘れ物が多いと大変ですよね。私も子どものころから忘れ物が多いです。この間は、さいふを持たずに外出してしまい、とてもあわてました。お弁当を駅のベンチに置き忘れたこともあります。最近、増えているようにも思います。
 忘れ物を減らす工夫はいろいろあり、よく言われるのはメモを書いておくことです。さらに忘れっぽい人は、そのメモを見るのを忘れてしまうので、いつも見るところに書く必要があります。朝、持って行くかばんに書いたメモを貼っておく、家でも開ける筆箱の中に入れておくなど。
 手帳に書くと決めておいて、その手帳を見るのを習慣にしている人もいます。スマートフォンなどにはリマインド機能というのがあり、決めた時間に音を鳴らし教えてくれます。でも、忘れそうと思うことは、こうやって対策が立てられても、自分でも信じられないような「うっかり」は防げないんですよね…。私も本当に困っています。
 一つ確かなことは、忘れ物が治らなくてもちゃんと大人になれます。そもそも「ちゃんとした大人」ってなんでしょうか。自分自身で何でもできること? それとも人に迷惑をかけないことでしょうか? そう思うと私は人に助けられることが多く、「ちゃんとした大人」ではないかもしれません。でも、誰かに助けてもらわないといけないことって誰でもあるのではないでしょうか。
 「いやいや、忘れ物は自分の責任でしょ」と言われそうです。では、誰かが困っている時に、その人自身に責任がないなら助けるけれど、本人の責任なら助けない、ということでしょうか。私ならそんなふうに人と関わりたくないなと思います。
 話がそれてしまいました。もちろん忘れ物は減らした方が良いです。でもそれは「ちゃんとした大人になれないから」ではなく、「あなた自身が困るから」。忘れ物の多い大人の毎日は結構大変ですので、少しでも減らせると良いですね。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。