息子がダラダラして宿題に取り組んでくれません。他の家庭の子はどうなのか気になりますし、毎日イライラしてしまいます。

回答者 大谷和大さん(北海道大学大学院教育学研究院講師)

  子どもの宿題問題は親のストレスにもなりますね。小学生、特に中・低学年の子どもは自分自身を客観視したり、コントロールする能力がまだ発展途上なので、自発的に勉強するということはなかなか難しいかもしれません。
 勉強していてもテレビがついていたり、きょうだいが遊んでいたら、ついつい集中力が途切れて一緒に遊んでしまうことはよくある光景だと思います。まずは親自身がそれを認めることが大切で、子どもに期待しすぎてはいけません。むしろ、必要に応じて“適度”にサポートしてあげることが必要です。期待しすぎないことで、親自身も楽になるかもしれません。
 こうした前提のうえでまず、生活にメリハリをつけることが重要だと思われます。たとえば勉強する時間を明確に決めて、その時はテレビを確実に消すなど、気が散りやすい要因を調整することが大事です。
 勉強するときは必ず机で行うなど、勉強する場所を決めておくのも良いかもしれません。こうすることで、机に座ると勉強モードになってくれるかもしれません。
 そして、可能であれば最初だけでも勉強を見てあげてはいかがでしょうか。これは必ずしも勉強を教えるということではなく、隣にいてリズムに乗ってくるまで様子をみるという意味です。子どもはその場の雰囲気に左右されやすいためです。
 その際、お子さんに苦手教科があるならば、自分の好きな教科から始めさせることも効果的です。ただでさえ宿題の取り組みに苦労している子供にいきなり苦手なものから始めさせると調子が出ず、集中が途切れやすくなってしまうからです。
 ただし、親はあくまでも伴走者であり、子どもをコントロールしよう(できる)と思ってはいけません。そのことが後々、子どものやる気をくじくことにもなりえます。最初はいろいろと試行錯誤しつつも、勉強の習慣がついてきたら徐々に子供の自主性に任せていけるとよいですね。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。