読もう!新聞コン*札幌の袴田さん(小4)優秀賞*家族が経験 熱中症予防に関心
掲載日:2025.12.29

記事をまとめるのではなく、思ったことを出すようにと指導を受け「3、4回書き直しました」と応募作について話す袴田奏衣さん
気になった新聞記事について家族や友人らと話し合い、考えた内容を書いて応募する「第16回いっしょに読もう!新聞コンクール」(日本新聞協会主催)で札幌市・円山小4年の袴田奏衣(はかまたかなえ)さんが、最優秀賞に次ぐ優秀賞を受賞した。袴田さんが通う進学塾「円山アカデミー」(札幌市中央区)からは、全国と道内の表彰を合わせ小中学生5人が入賞。袴田さんと円山アカデミーに新聞を使って勉強をする感想や意義を聞いた。
コンクールは小中高生と高専生が対象で今回は全国で6万1428編、道内から1151編の応募があった。うち小学生は全国で4643編、道内189編。
個人で道内最高の成績を収めた袴田さんは「体の中を冷やして熱中症予防」(朝日小学生新聞7月17日付)の記事を取り上げた。祖父が熱中症になり、自身も熱中症になりかけて怖かった経験を記事と結びつけた。そして「だれでも熱中症になる可能性がある。熱中症にかぎらず、何事も自分だけは大丈夫だと考えてはいけない」と思うようになったことを伝えた。
記事には、凍らせたスポーツ飲料をシャーベット状にし、活動する前に飲むなど「知っている熱中症予防と違う方法が載っていてびっくりしました」。コンクール応募後は「おもしろい」と感じる新聞に目を留めるように。高齢者が音楽に触れると、物忘れの進行を遅らせる可能性があるという記事を「お年寄りの人たちが役立ててくれたら」と願う。科学関係の記事を読みたいと話す。
円山アカデミーは夏休み期間に作文講座を設け「新聞コンクール」への応募作を指導している。中学受験に作文が出題されるなど、大学入試を含め最近の受験は、表現する能力が測られる方向に向かっているという。塾長の西田研太さん(42)は「教科の勉強ができる生徒でも、常識を知らないことも多い。日常の生活について書かれた新聞を読み、大人と話をすることは、教科の勉強を日常生活でどう活用するかを考える機会になる」とコンクールを評価する。
生徒たちは服でも選ぶように友達同士で話をしながら、どの記事をコンクールの題材にするかを決めていく。作文講座を担当する飯島崇匡さん(42)は「一人ではなく、友達や親と一緒に読むというように、新聞のあり方を考えてもいいのでは」と提案する。(嘉指博行)
*最優秀は福岡の清武さん(高2)*付き添い入院の本紙記事題材に

清武琳さん
東福岡高(福岡市)2年の清武琳さんは、長期入院病児への付き添いに関する北海道新聞と西日本新聞の記事を読み、最優秀賞に輝いた。幼い頃から脊柱側彎(そくわん)症で入退院を繰り返し、付き添い入院への関心が高かった。受賞を機に「多くの方々に現状を知ってほしい」と願っている。
清武さんは、こども家庭庁による付き添い入院家族への初の支援を報じた1月13日付西日本新聞の記事を読み、「国が苦悩をやっと認めてくれた」と喜んだ。
札幌市で付き添い入院家族の支援を行うNPO法人「イナンクル」の綿谷千春代表とは、全国紙に載った綿谷代表の記事を読んで2022年のコンクールで入賞して以降、親交があった。記事について連絡すると綿谷代表は「制度化は喜ばしいが望まないルールができるかもしれない」という意見と共に同法人発行の小冊子を取り上げた2月21日付道新の記事「病児付き添い 家族の思い」=写真=を送ってくれた。
患者として入院を経験する自分と、入院への付き添いの経験が多い綿谷代表との視野の差を感じ、「制度化だけでなく一人一人に合った支援が必要なのでは」と考えて作文を仕上げた。「声を上げる当事者は少ないが、現状を知ってもらう活動を今後も続けていきたい」と話す。綿谷代表も受賞を喜び「遠くの人にも札幌での活動を知ってもらうきっかけになってありがたい」と感謝していた。(向井智啓)
