<NIE授業 新時代>小学4年国語・新聞を作ろう*情報活用や文章力育む*冨樫忠浩(栗山町立栗山小教諭)
掲載日:2025.06.30
新聞作りは情報活用力や文章構成力、表現力などさまざまな資質・能力を育む学習ですから、児童が新聞作りでの学びを他でも活用できるようにさせたいです。そのための具体的な知識・技術を紹介します。
《1》【5W1H】
まず、児童に「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのように」が、それぞれ何を表すのかを説明し、いくつかの新聞記事から5W1Hを見つけさせます。デジタル教材「まなbell(べる)」のような記事データベースが使えるのであれば、自分の興味のある記事で学べます。最後に5W1Hを用いて実際に文章を書かせます。それをペアやグループで交換させて読み合うと楽しく学べます。この学びは「分かりやすく相手に伝える力」を形成します。
《2》【見出し】
新聞記事から児童が理解しやすい見出しと記事を用意します。良い見出しは記事を読む意欲を高めたり、記事の内容のだいたいを理解させるという役割があると説明します。次に別の記事を示し、それぞれに見出しをつけさせ、端末を通じて他の児童の視点や意見を参考にしながら交流させます。協働的な学びを通して自分一人では気づけないものに出合えたり、学びを深めたりできます。
《3》【メモ】
取材に必要なメモの仕方を学ばせます。メモは作文やスピーチなど他の言語活動のベースとなるのでとても大切。素早く、短く、たくさん書くと指導します。元道教大函館校教授の野口芳宏先生が考案したメモ「マルチ・プラン・シート『プランくん』」=図=が便利です。
「ラベル欄」に「やりがい」や「挑戦」などの抽象的な言葉(広い言葉・小見出し)、その下の「ブランチ欄」に「『おいしい』と言って食べてくれる」といった具体的な言葉(狭い言葉・詳述)を書き込みます。児童が抽象と具体の関係について学べるのでおすすめです。ブランチ欄左側の□(ナンバリング欄)には順番の数字を書き、文章構成の際に使います。
他にも、それぞれのメモを端末で共有したり、グーグルフォームでアンケートを行ったりすると情報を整理する力も身に付きます。また、メモは手書き、情報収集は端末、清書は手書きやデザインツール「キャンバ」のように使い分けが必要です。
NIEは家庭学習でも取り組めます。ぜひ、学校だけではなく、家族のみなさんとも取り組んでみてください。