2017年告示の中学校学習指導要領の国語では、3年生の「読むこと」の「言語活動例」として「論説や報道などの文章を比較するなどして読み、理解したことや考えたことについて討論したり文章にまとめたりする活動」を示しています。
 同じ出来事を報道した記事であっても、新聞社(書き手)の解釈によって編集の仕方(書き方)が変わります。これは1紙だけを読んでいては気づくことが難しいですが、複数社の新聞(複数紙)を読み比べることで理解することができます。これは複数紙を読み比べる「横の読み比べ」の利点と言えるでしょう。
 なお、文部科学省が策定した第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」(22~26年度)に基づき、小学校から高校までの学校図書館に複数紙を配備する地方財政措置が講じられています。どの学校でも「横の読み比べ」ができる環境を整備していくことが重要です。
 また近年では、学校向けのデジタルサービスによる過去の記事検索もできるようになりました。過去の記事と現在の記事の読み比べも簡単に行うことができるようになっています。これを「縦の読み比べ」と呼ぶことにします。
 ある題材について、過去の出来事や当時の考え方を知ることができ、自分の考えをより深めたり広げたりすることができます。例えば「エゾシカとハンター」をテーマにした授業では、各生徒が自分の端末を使い現在の記事と過去の記事の読み比べを行いました。
 生徒の1人は、30年前には道東の山間部に多くのハンターが押し寄せて「シカ狩りフィーバー」と呼ばれる状況であった一方、現在では道外在住のハンターを呼び込むために、猟ができるモニターツアーが企画されたり、東京で狩猟のPRイベントが開催されたりしていることを知りました。生徒は、こうした具体的な事実をもとに、現在の「ハンター不足」の問題について具体的に考えることができました。

「エゾシカとハンター」をテーマにした授業で過去記事を検索する児童のパソコン画面

「エゾシカとハンター」をテーマにした授業で過去記事を検索する児童のパソコン画面