新聞コン作文 鵜川さん優秀賞*札幌・向陵中1年*エゾシカ食用の記事題材に
掲載日:2024.12.23
新聞を読んで家族や友人らと話し合い、意見を応募する「第15回いっしょに読もう!新聞コンクール」(日本新聞協会主催)で、札幌市立向陵中1年の鵜川真千子さん(12)が、道内の個人では最高となる優秀賞を受賞した。エゾシカの駆除と食材としての活用に関する記事を取り上げた鵜川さんは「とてもうれしい。エゾシカの命が無駄にならないような世の中になれば」と願う。
コンクールは小中高生と高専生が対象。昨年9月から1年間に発行された新聞を読んで作文に取り組んだ。応募総数は全国で6万1576編。このうち中学生は全国から2万5903編、道内から133編の応募があった。
鵜川さんは「身近な題材を取り上げては」という父母からの助言を受けて「エゾシカ肉 家庭の新食材に」(北海道新聞6月30日朝刊)の記事を選択した。
「エゾシカにはかわいいというイメージがある。でも『害獣』という言葉が目に入って、きちんと読んでみようと思った」。農業被害が年間48億円にも上ることに驚き、食用にも供されていることを知った。
エゾシカ肉の活用について考えようと、実際に家族でシカ肉を買いに行ったという。精肉店で入手し、食品関連の会社に勤める父の料理で味わった。
「食材としての利用は命が無駄にならないから素晴らしいと思った。父はさらに、トレーニング用の食事やサプリメントへの活用など、シカ肉の栄養成分に着目した工夫をしてはと話してくれた」。自分では気づかなかった視点を加え「シカ肉の良さが伝わり、エゾシカが害獣と呼ばれることが減ったらいい」とまとめた。
応募は、通っている学習塾の作文講座から。優秀賞に選ばれ「驚きが一番大きい。こうした賞は初めてですごくうれしい」と笑顔を見せる。今後、エゾシカ肉の活用が広がった際には「その状況も知りたいと思います」。
普段、新聞を読むことは多くないそうだが「ニュースを知らなきゃならないし、知るべきだと思う」とも話した。中学の科目では数学が得意だといい、将来は「好きな赤ちゃんに関わる仕事に就きたい」と夢を口にした。(五十嵐文弥)