NIE実践本「探究」出版
掲載日:2024.12.23
新聞を用いた教育活動の発展を目指す教員や研究者らで作る日本NIE学会は「探究の学びを拓(ひら)くNIE-多様性の中の確かな指針として-」を出版した。
小学校から高校までの国語科と社会科の授業のほか、教科外での実践など全11テーマを掲載。教員や研究者が紹介する各自の取り組みについて、別の研究者と新聞社員らメディア関係者が1人ずつ論評を寄せている。
このうち、弘前大教育学部の池田泰弘准教授(元釧路市立景雲中教諭)は「社会参画の基盤を形成する中学校社会科の実践」のテーマで、新聞を活用した地理と歴史の授業例を記述。「新聞は社会の窓口の一つ(中略)。納得できる学びの内容・方法として新聞を捉えたい」と指摘する。
論評した北海道新聞社みらい教育推進室の中井理依室次長は授業内容への言及とともに「多様な視点・意見と子どもとが出合う方法」として、新聞各社の学校向け新聞記事データベースの活用を提唱。「記事の活用が劇的に増える可能性がある」とした。
このほか同書には、真偽のほどを見極め、必要な情報を活用するために重要なニュースリテラシーの育成や情報通信技術(ICT)の活用、生徒会活動と結びつけたNIEの実践といった興味深い論考も盛り込まれている。
京都新聞出版センター発行。A5判258ページで1980円。(福元久幸)