NIEの歴史と可能性をテーマに行われたパネル討論

NIEの歴史と可能性をテーマに行われたパネル討論

 京都市で8月1、2の両日、第29回NIE全国大会京都大会(日本新聞協会主催)が開かれた。教員や報道関係者ら約1200人が参加。パネル討論や初開催のポスターセッションを通じ大会テーマの「探究と対話を深めるNIE」を学んだ。
 パネル討論でNIEの意義について京都教育大付属桃山中学校の神崎友子主幹教諭は「生徒たちに対話や探究を促し、自己の考えや生き方を見つめる機会を与える」と強調。京都市学校歴史博物館の林潤平学芸員はNIEの歴史にふれ「戦後教育では、教師と生徒に民主社会を作るという共通課題があった。学校新聞を作る際にも対話を通じて共に学んでいった」と紹介した。
 また、スマートニュースメディア研究所の長沢江美研究員はネットメディアの特性について「(個人に最適化した情報に囲まれる)フィルターバブルに陥ると情報が偏り、個々人の思考の前提が変わってくる。現代では前提が違う人とも対話する能力が必要」と指摘した。
 2日目は計15テーマの分科会や実践発表などを通じて、多様性を問う新聞記事のジェンダー表現やデジタル新聞の活用、子ども記者活動などについて学んだ。
 初開催となったポスターセッションでは約50団体・個人が「学校図書館における『新聞カフェ』の実践」「道徳科『かぜのでんわ』×新聞力」など多彩な取り組みを紹介していた。
 来年の全国大会は7月31日から2日間、神戸市で開かれる。(福元久幸)
=京都大会の詳報は9月30日の教育面に掲載します