第14回「いっしょに読もう!新聞コンクール」で、日高管内新ひだか町立高静小5年の原万琴(まこと)さんが、最優秀賞に次ぐ優秀賞に輝いた。小学生の最優秀賞は全国で1人、優秀賞は10人で道内からは原さんだけだ。馬に乗って坂を駆け上がる三重県の神事で、サラブレッドがけがをして安楽死処分になった記事(北海道新聞6月18日朝刊1面)を読んで応募した原さんは「この問題をたくさんの人に知ってほしい」と、受賞を喜んでいる。

優秀賞受賞の喜びを語る原万琴さん

 日本新聞協会主催の同コンクールは、小中高生と高専生が昨年9月から1年間の新聞から選んだ記事を、家族や友人など身近な人の意見も聞き、感想を書いて応募する。小学生の応募は全国と海外から計5382編だった。家族と新聞を読む点で、ファミリーフォーカスにも通じる取り組みだ。
 幼稚園の時から乗馬を習っている原さんは「道新こども新聞まなぶん」の「こども記者」として、引退した競走馬を取材し記事を書いたこともあった。馬は身近な存在。この記事によると安楽死処分になった馬も道内産とみられる。
 読んだ直後の感想は「馬がかわいそう。なぜ馬の生命をかけてまで行うのか」と神事に否定的だったが、約700年間続く伝統の重みについて母親の意見を聞き、考え直した。

原さんが読んだ北海道新聞6月18日朝刊の記事

原さんが読んだ北海道新聞6月18日朝刊の記事

 元々は豊作・凶作を占う目的だったが、今は見て楽しむイベントの色合いが強くなったことや、馬の体格の変遷などいろいろな視点から考えて「行事を誇りに思っている人たちもいる。昔の方法にこだわらず、坂の傾斜や馬が乗り越える壁の高さなどを見直すなど、馬の命と伝統の両方がかなう形になればいい」と結論を書いた。
 今もこども記者を務めている原さんは「まなぶん」や朝日小学生新聞をよく読む。今回の記事は母親から勧められて読んだ。受賞の知らせに「びっくりした。この記事に出ている事を多くの人に知ってもらえるなら、すごくうれしい」と話す。
 学校では、図工や家庭科など物を作る教科が特に好き。さらに作文を書くことや読書も好きだという。人体の仕組みに興味があり、そうした分野の研究者になりたいというのが将来の希望だ。(小田島玲)