Q 小4の息子は、学校から帰ると何もしないでゴロゴロしていることが多いのです。私も仕事があり時間に追われて、つい息子に「ぼーっとしないで、やるべきことをやってしまいなさい」と言ってしまいます。でも、何となくすっきりしません。どうすればいいでしょうか。
回答者 谷光さん(北海道子どもセンター運営委員長)
A 学校から帰ると、カバンを放りだして、ソファにねっころがって「あーあ」とため息ついて、ぼーっとしている―。子どもにはよくあることです。学校の時間割はけっこうきつくなっているし、宿題も毎日出るようです。子どもだって疲れます。おそらく息子さんも疲れた身体と心が求めていることだと思います。
お母さんやお父さんも忙しくて時間に追われているから、つい「ぼーっとしないで、カバンをかたづけなさい」「早く宿題やってしまいなさい」などと言ってしまいがちですが、大人は「何もしないでぼーっとしているのは罪悪だ」みたいな感覚にとらわれているのかもしれません。
でも人間にとって、ぼーっとする、ぼんやりする時間はとても大切だと思います。頭と体をリラックスして次へのエネルギーをつくりだす準備の時間だからです。少し堅い話になりますが、子どもの人権を規定した国連の「子どもの権利条約」の31条に「休息及び余暇の権利」ということが書かれています。これは「何もしなくてよい時間」つまり「ゆっくりしていいんだよ」「のんびりしていいんだよ」ということを大切にしなさいと言っていると思います。
しばらくぼーっとして疲れが取れれば、息子さんも(勉強か遊びかは分かりませんが)動きだすのではないかと思います。そうもならず、様子がおかしいと思ったら、息子さんの体の問題や病気の可能性なども考えて、学校の先生や小児科医などに相談してみましょう。
昨年の新語・流行語大賞のトップテンに、NHK番組の人気キャラクター、チコちゃんの決めぜりふ「ボーっと生きてんじゃねーよ!」が選ばれました。「あれが受けるのは、大人たちだって、ぼーっと、つまり安心して生きられてはいないからでは?」ということを書いていた人がいたけど、私もそう思いますよ。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。