Q 小6の一人息子が朝になるとおなかが痛くなり登校を渋り、不登校状態が1カ月ほど続いています。医師の診断は病気としての所見はなしです。たまにチック症状も出てきました。息子が手がかからない年齢になり、週2回勤めに出たところですが、仕事は辞めるべきでしょうか。
回答者 池内省子さん(北海道子どもセンター相談員)
A 小学校高学年は体も心も大きく成長・発達する時期なので、悩みや問題も多いです。それを言葉で表現する能力を十分身に付けていないので体で訴えます。「おなかが痛い」はその典型です。友だち関係がうまくいかなかったり、いじめを受けていたり、新しい担任の先生と相性が悪かったり、学校の規則に縛られて疲れているなどが考えられます。
腹痛やチック症状はストレスが蓄積している時のSOSだと思います。今、必要なのは休息です。息子さんの訴えを全面的に受け入れ「おなかが痛い間はしっかり休んで、治ったら学校に行こうね」と言ってあげてください。ゆっくり休養することでストレスがなくなり、充電もできるはずです。
「お母さんは何があってもあなたの味方だよ」と伝えて安心させてから、さりげなく学校のことを話題にしてください。ストレートに「何かあったの」と聞くと、「別に~」で終わることがあります。勉強が遅れたら困るといって、無理に学校へ連れて行くことはしない方がいいと思います。
人生は長いです。あせらず息子さんを信じて待つことが大事です。担任の先生や保健の先生と相談しながら、学校が子どもにとってどんな場所になっていたのか知ることも必要です。
お母さんの仕事の件は、学校に行かない子を一人で過ごさせるのは心配だと思いますが、「僕のために辞めた」と息子さんが自分を責めても困ります。もう少し様子を見てください。その間、少しの時間でも見てもらえる人がいればいいですね。
お母さんの悩みや辛さは当事者にしかわからないことも多いので、不登校の子を持つ親の交流グループとつながることをお勧めします。
いけうち・せいこ 札幌市の小中学校で養護教諭を務め、定年退職後にフリースクール「北海道自由が丘学園」(札幌市豊平区)に6年間勤務。現在同学園理事。1940年、小樽市生まれ。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。