地域への関心 地元記事から*富良野高で「北海道学」授業*お薦めの場所応募/空き地活用考える
掲載日:2026.03.30
新聞には日々、数多くの情報が載る。北海道新聞には全道各地に30余りの地域面があり、細かくニュースを届けている。地元密着の記事は、児童生徒が地域を学ぶ教材としても役に立つ。学校設定科目「北海道学」で新聞を活用する富良野高を訪ねた。
3年生の「北海道学」の授業では昨年11月、富良野面の連載「ふらの百景」が教材になっていた。2023年開始の連載は、富良野市博物館と市内在住の画家イマイカツミさんが、文と水彩画で市内の歴史的な建物や風景を紹介している。

生徒らの投稿を基に紙面化された「ふらの百景」
題材を読者から募っているのが特徴だ。生徒たちは富良野地方の自然や歴史、文化を学び、お薦めの「ふらの百景」を応募。昨年度から数点が採用され「特別編」として紹介された。この日は「樹海学校・トリムの広場」を紹介した11月11日の記事を取り上げた。
鎌田彩花さんは小学校の時、帰りの通学バスを待ちながら、この広場の遊具で鬼ごっこをした記憶がある。記事になり「長い時間を過ごした思い出の場所を、みんなに知ってもらえてうれしい」と喜ぶ。
北海道学の授業が始まったのは10年ほど前。北海道新聞の記事や自治体の広報を活用し、上川管内の市町村や北海道について学ぶ。地元出身で富良野高OBの北村智裕教諭が担当する近年は、北海道遺産を学んだり、空き不動産の活用を考えたりする授業も行う。
「地元の空き地や活用されてない不動産を知ることができて面白い」と鈴木優大さん。普段、新聞を読まない鎌田さんも「地域の情報を知ることができて新鮮」と口にする。
この日の授業では、各自がこれまでスマホで撮影した富良野や道内の風景写真から1点を選び、PRする資料作りにも取り組んだ。
生徒たちは近くの友達と話しながらスマホから写真を選択。JR富良野駅前の噴水で友人と撮った写真を選んだ生徒や、十勝の然別湖を写した1枚を選ぶ生徒も。撮影場所の素晴らしさを伝えるため文章を練った。
同高は、新聞記事を親や友人らと読んで考える「いっしょに読もう!新聞コンクール」(日本新聞協会主催)や「切り抜き作品コンテスト」(北海道新聞社主催)にも参加、NIEに積極的に取り組んでいる。
北村教諭は「自分たちの住む地域について知ることは生活を豊かにするし、今後のプラスにもなる。新聞記事がそのきっかけになれば」と狙いを語った。(五十嵐文弥)

自分のスマホからPRしたい風景を選ぶ生徒たち
*故郷知り良さ伝えて
札幌国際大・朝倉一民教授(日本新聞協会NIEアドバイザー)の話 インターネットで最先端の情報にアクセスできる今、故郷のことを語れる大人を育てないと、地域の良さが伝わっていかない。大学の授業でもプレゼンテーションの技術を磨くため、学生に故郷の紹介をしてもらうことがある。新聞には地域の新しい情報が豊富にある。教材としても扱いやすく、これらの素材を学ぶことは地域を知る上で大切だ。
