Q 大学進学を前に勉強で生成AIを使うことが増えました。分からないことをすぐAIに聞いてしまい、自分で考える力が弱くならないか少し心配です。大学では「自分で考える力」が大切だと聞きますが、AIはどこまで使っていいのでしょうか。
回答者 舒悦さん(北大大学院教育学研究院非常勤研究員)
A いいところに気づきましたね。まず安心してほしいのは、AIを使うこと自体は悪いことではないということです。調べものをしたり、分からない点を整理したり、考え方のヒントをもらったりする場面では、AIはとても便利な学習道具です。
ここで少し昔を想像してみましょう。AIがなかった時代、分からないことがあればどうしていたと思いますか。図書館に行ったり先生に聞いたりしていましたよね。それをAIに聞くようになっただけで本質はあまり変わっていません。
問題になるのは「考えずに答えを見る」ことです。AIの答えをそのままリポートに書くのは、参考書の答えを丸写ししたりネットの記事をコピー&ペーストしたりするのと同じ。本に書いてあることも先生の話もAIの答えも、全てはただの「情報」です。今も昔も情報をどう考え、どう使うかが大切なのです。
大学で求められるのは知識の多さよりも自分の頭で考え、それを説明し、話し合いの中で考えを深める力です。最初からAIに答えを聞いてしまうと、その練習を省くことになります。宿題の問題を見たとたん、すぐ答えを確認してしまうようなものですね。
私のおすすめは「まずは自分で考える↓そのあとAIに聞く」という使い方です。「他に考え方はあるかな?」「この説明で分かりやすいかな?」と確認するために使えば、学びはむしろ深まります。そう考えると、AIは参考書より気が利く相棒かもしれません。
進学前に不安になるのは自然なことです。AIに振り回されるのではなく、上手につき合う力も、これからの大学生には大切な力。今のうちから使い方を工夫しておけば、大学での勉強もきっと楽になりますよ。
ジョ・エツ 1988年北京市生まれ。北大で博士号を取得。現職の傍ら、いじめの未然防止や早期対応サービスなどを提供するスタンドバイ株式会社(東京)特別研究員兼任。
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小中高生や保護者のよくある悩みと、解決へ向けた考え方を過去の相談事例などをもとに紹介します。