私のクラスはみんなが仲良しで積極的です。先生が「みんなが発表して楽しい授業に」と言ったこともあり、毎時間ほとんどの子が発表します。人前で話をするのが苦手な私は、自分から手を挙げることはありません。自分だけが取り残されるようで心配です。

回答者 星野康さん(「ふきのとう・こどもクラブ」運営リーダー)

  あなたのクラスは元気な人が多いのですね。あなたはそんなクラスが嫌いではなく、居心地も悪くないのでしょう。ただ授業で進んで発言するのが苦手で悩んでいるのですね。
 あなたは「教室はまちがうところだ」という詩を知っていますか。『教室はまちがうところだ/みんなどしどし手をあげて…』という書き出しで始まり『まちがったって だれかがよ/なおしてくれるし 教えてくれる…そんな教室 作ろうやあ』と続きます。なんだか励まされるような温かい気持ちになる詩です。
 もしかしたら担任の先生もその詩を読んでいて、クラスのみんなが意見を出し合い、成長していけるクラスを目指しているのかもしれません。間違った意見も笑ったりしないで認め合えるクラス。そのことを大切にしているのでしょう。
 でも「みんなが発表して」といっても本当の気持ちはどうでしょう。「間違ったらどうしよう」とドキドキして手を挙げている子や「みんなの前で話すのは恥ずかしい」と思っている子がいるかもしれません。
 まずは仲良しの友達に聞いてみてはどうでしょう。手を挙げ発言しているときの気持ちはどうか。また、自分からは手を挙げないあなたをどう思っているのか。「仲良しでいられる」のは、ありのままのあなたを受け入れ、認めているということだと思います。
 自分の悩みを素直に伝えることができるあなたですから、担任の先生に自分の気持ちを伝えてみても良いと思います。話すのが大変なら手紙で伝えるのもいいですね。「じっくり考える」ことができるあなたの良さを理解し「自分から手を挙げなくとも大丈夫」と励ましてくれると思います。
 最後になりましたが、機会があれば図書館で「教室はまちがうところだ」を読んでみてください。

 ほしの・やすし 札幌の公益財団法人「ふきのとう文庫」のこどもクラブ運営リーダー。元小学校教諭。

 小中高生や保護者のよくある悩みと、解決へ向けた考え方を過去の相談事例などを基に紹介します。