私のパパはカナダ人でママは日本人です。だから私の名前もファーストネームはカナダ人の名前です。学校では友達に「ハーフだから英語の発音きれいだね」とか「ハーフだから髪の毛が茶色っぽくていいね」とか「手や足が長くてスラッとしてるね」と言われます。何をしても「ハーフ」という言葉がつくことに、すごくイライラしています。ハーフって日本語に訳せば半分ですよね。私は日本人でもなく、カナダ人でもなく、半分の人間ということでしょうか?

回答者 橋本尚典さん(北海道子どもセンター研究員)

  私の娘も外国人と結婚し、2歳になる孫がいます。名前をファーストネームで呼び、顔立ちも私たちとは少し違います。中学生になる頃にはそんな思いをするのかな?と思いました。
 まず「ハーフ」という言葉ですが、これは和製英語です。直訳すれば半分ですね。その人が半分というのは失礼と受け取られかねず、メディアではミックスやダブルという言葉を使うことも多いようです。
 移民を受け入れてきた歴史のある欧米の国に比べて、日本では日本人から生まれたということにこだわる傾向があるように思います。他の人種と結婚し、子供ができると日本語で「混血」「ハーフ」という表現をしてきました。
 ただ、現在の日本の国は外国にルーツを持つ人たちも増え「多文化共生」という考え方が広がってきています。また、そうした考えでいろいろな人たちと関わることは、これからを生きる皆さんには特に身に付けてほしいことです。
 中学生は自分探しの時期でもあります。そのような中であなた自身があなたであり続けることが大切です。だから、両親の二つの国が混じっていることを誇りに思い、いろいろな人と関わって人生を歩んでほしいと思います。
 また中学生は最初、外見で人を判断しがちですが、深く関わり一緒に活動をすることで、互いに理解しあい仲良くなれるものです。
 ですから「ハーフ」という言葉に違和感があるのなら、友達や先生とも話し、自分自身の違和感を伝えることで、何でも言い合える関係をつくっていってほしいと思います。

 小中高生や保護者のよくある悩みと、解決へ向けた考え方を過去の相談事例などを基に紹介します。