小学5年生社会科「未来とつながる情報」の学習について実践を紹介します。
 2017年告示の「小学校学習指導要領」で文部科学省は、社会科を学ぶ目標の一つとして「様々(さまざま)な資料や調査活動を通して情報を適切に調べまとめる技能を身に付けるようにする」と明記しています。
 この「情報を適切に調べ」という言葉から分かるとおり、本単元「未来とつながる情報」は社会科の目標を達成するために重要な意味を持っています。
 「情報を適切に」調べる際、その情報の真偽・正誤を見極めることが必要です。総務省情報通信政策研究所が23年度にまとめた「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると「仕事や調べものに役立つ情報を得る」際のメディアとして86・9%の人がインターネットを選んでいます。一方、各メディアの信頼度でインターネットは28・9%にとどまり、新聞が61・1%と最も高い結果となっています。

弟子屈小児童が地域の話題などを検索した総合デジタル教材「まなbell」の画面

 授業ではまず、このような調査報告を児童に伝えました。その上で新聞記事を検索できるツールとして、北海道新聞社の「どうしん まなbell」を紹介しました。このツールはデジタルの利便性と新聞記事の信頼性を兼ね備えています。
 1人に1台のタブレット端末「iPad(アイパッド)」を使って、児童は興味津々で検索を繰り返しました。入力した検索ワードは学校名や身近な地域名、行ってみたい国、自分がやっているスポーツ、興味のある出来事、家族の職業、自分の名前など、多岐に渡りました。自らの関心事に関する記事が次々とタブレット端末の画面上に出てきて「調べたいことが何でも出てきて分かりやすい」「古い記事から過去の様子がこんな感じだったと分かった」といった感想を漏らしていました。

 授業では、タブレット端末を使って調べた記事のうち、児童が「すてきだな」と思った記事について要点をワークシート「お花メモ」に手書きでまとめました。「5W1H」(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を観点に、内容を書き込む用紙として独自に考案したものです。新聞記事の内容を紹介したり、感想をまとめたりという活動に発展させることができました。
 ここで重要なのは5W1Hという用語を児童が理解し活用しているという事実です。そのためにも国語科として指導すべき「学習用語」として5W1Hを学んでおくことが必要です。
 このように国語科で学んだ5W1Hを他教科で活用させ、その教科の学習課題を解決していくことで言語活動が充実し、言語能力の育成につながります。