小学5年生国語「新聞を読もう」という学習を通して、何を学ぶべきか紹介します。
 まず「学習用語」の習得と活用です。記事の「見出し」「リード文」「本文」などの用語を知り、使えるようになると良いです。また、作文やスピーチに生きる技術の「5W1H」「逆三角形の構成」を知ると、新聞を効果的に読む技術を習得できます。
 小中学校で児童生徒1人1台端末が整備されました。授業で使う紙面を教師が取り込み、栗山小を含め全国で使われている学習支援アプリ「グーグルクラスルーム」などを通じて児童生徒に配布。理解を助ける図表やヒントとなる動画も共有できます。
 文章や図表がある新聞は、必要な情報を探したり論の進め方を学んだりできる教材。多くの情報があふれる現代、情報を取捨選択し正誤を判断する力が生きていく上で必要です。限られた紙面の中でニュースを伝える記者の工夫を読む学習が有効です。
 新聞の「比較」によって深い学びが実現できます。同じ話題の記事が載った全国紙と地方紙を比較し、共通点や相違点を見つけます。光村図書の教科書では、東京五輪で金メダルに輝いた柔道の阿部一二三、阿部詩きょうだいに関する記事を比較しています。
 全国紙のリード文では日本勢全体の活躍、神戸で発行されている地方紙では阿部きょうだいが神戸出身であることが書かれています。続いて全国紙の本文は、きょうだいの金獲得を強調。地方紙は、二人の神戸での日々や神戸出身で競技の創始者である嘉納治五郎が強調されており、地元の人に関心を持ってもらいたいという記事の意図を推測する学習も大切です。「グーグルフォーム」というツールを使えば児童生徒の意見を即座に集約し、教室全体での議論ができます。
 他にも家庭学習で見出しを比較したり、隠した見出しを考えたりするのも有効。記事の内容を要約した見出しは読解力や表現力の向上に役立ちます。ぜひ活用してください。

 GIGAスクール構想で小中学校の児童生徒1人に1台の端末が整備されたのに伴い、教育現場での新聞活用の仕方が変わる「NIE新時代」を迎えている。教科書の内容に合わせ、日本新聞協会認定のアドバイザーに授業の実践例を紹介してもらう新コーナーを随時掲載します。