4月に中学生になりました。小学6年の時の先生は「ダメな事はダメ」と厳しい半面、みんなに人気があり、私も学級の仲間も安心して生活することができました。中学校では大学を出たばかりの先生が担任となりました。この先生は「突発性難聴のため左の耳がちょっと聞こえづらいのと、人の名前を覚えるのが苦手なので、私に話しかけるときは名前を言ってください」と最初におっしゃいました。ちょっと頼りなくて、何をするにも隣のクラスの先生のところに行って聞いたり、クラスの元気な男子たちに対しても、はっきりダメと言えない先生です。この先生と過ごす1年のことを考えるとすごくモヤモヤとしています。

回答者 橋本尚典さん(北海道子どもセンター研究員)

  先生にもいろいろな先生がいるのは、あなたも承知の事と思います。私も中学校の教師だった頃、熱血でもなく厳しくもなかったので、きっと教え子の中には私に不満を持っていた生徒もいただろうと思います。
 でも私が思う、この先生の良いところは最初に自分の苦手な事「耳が少し遠い、人の名前を覚えるのが苦手」をみんなの前で言ったことです。自分の弱みをまだ知らないみんなに言うというのは、とても勇気のいることです。おそらくこの先生は誠実な先生ではないでしょうか。
 また中学校は小学校と違って、先生がクラスを作るというよりは、中学生のみんなで話し合ったり、知恵を絞ってクラスを作っていくのが本来の姿です。
 もう一つ、学校は生徒のみならず先生も学んでいく場です。そういう意味では、先生とあなたたちが一緒に学んで成長していくことが、素晴らしい結果に結びつくと思います。
 中学校は教科担任制で部活の顧問の先生も含め、あなたに関わる先生がたくさんいます。人間同士は当然、相性があります。あなたがどうしても担任の先生と心を打ち解けることができないなら、他の先生とつながっていくことも中学校生活を送っていく上で大切ではないでしょうか。
 割り切れない事もたくさんあるでしょうが、モヤモヤを抱きながら考え続けることが、あなたの成長につながります。楽しい3年間を送ってください。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。