Q 私は小学校高学年から不登校になり、中学校にはほとんど通うことができていません。今年は3年生なので、そろそろ進路について考えなければいけない時期になっています。できれば大学に行ってみたいと思うので、高校に進学したいと思っているのですが、ずっと学校に通っていなかった自分にも通える学校なんてあるのか心配です。
回答者 井出智博さん(北海道大学大学院教育学研究院准教授)
A 進路について考えるのはなかなか大変なことですよね。先のことを考えると不安になることもたくさんあると思います。そんな時は自分がどうしたいかについて、しっかりと自問自答することも大切ですが、まずは情報を集めてみるということも大切です。
高校には全日制、定時制と通信制という三つの種類があるのをご存じでしょうか。最も一般的な学年制を採用しているのが全日制です。定時制や通信制では、その人の状況に合わせた高校生活が送りやすい仕組みを採用しています。
特に通信制高校では学年制ではなく、単位制となっていて、3年以上の間に決められた単位を取得することで卒業することができます。その際にどの授業をとるかや、1週間にどれくらいの授業数をとるかは自分自身で決めることができます。学校によって異なりますが、必ずしも毎日登校する必要はなく、自宅で自分のペースで学習に取り組めることも特徴です。
ただその分、自分でスケジュールを管理したりしなければならないので、ご自身の意志の強さも求められるでしょう。また、道内の地方公立高校の中には寄宿舎があり、遠方からも生徒を受け入れているところがあったり、ユニークな学びの機会を提供しているところもあるようです。
このように一言で高校と言ってもいろいろな学校があり、いろいろな学び方があるようです。学校によっては、あなたと同じように長い間不登校だった経験を持つ人が多く通う学校もありますので、そうしたところでは境遇を理解し合える仲間と出会うこともできるかもしれません。ぜひ、自分に合った学び方、学校を探してみてください。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。