学校で「おうちで、お父さんやお母さんと読んでください」と「大切にしよう 子どもの権利」というパンフレットをもらいました。その中の「自分らしく生きる権利」のページに「見つけよう! ぼく・わたしの自分らしさ」とありました。私は積極的ではなく、あまり友達もいないので、私の自分らしさとは何だろうと心配になりました。どうしたらいいでしょう。

回答者 谷光さん(北海道子どもセンター運営委員長)

  パンフレットを読んでくれたのですね。そうです、札幌市の子どもの権利条例の第9条には「子どもは、自分らしく生きることができます」と、子どもはみんなかけがえのない存在で、だれもが大切にされなくてはならないと、書かれています。
 「自分らしさが分からない」と困っているようですが、大人の私でも「自分らしさは?」と聞かれて、すぐに答えられるものは持っていません。心配することはありません。
 4年生というのは、自分はどんな人間なのかなと、自分を見るもう一人の自分を心の中に育て始める頃と言われます。あなたが「自分らしさは何?」と考え始めているのは、大切なことです。ただ自分らしさは、一人で考えていてもなかなか見つからないかもしれません。おうちの人や学級の皆の意見を聞きながら考えてみることです。いろいろ経験しながら、ゆっくりじっくり考えていけばいいのです。
 札幌市子どもの権利条例が始まったのは(「施行」と言います)2009年です。当時の市長さんが「国連の子どもの権利条約がまだ知られていないので、その架け橋として権利条例をつくりたい」と提案したのです。道内のいくつかの市や町で同様の条例がつくられています。架け橋の向こうにある国連の「子どもの権利条約」は、1990年に始まりました。日本をはじめ196の国と地域がこの条約を守ることを約束しています。
 この機会に子どもの権利条例と、国連の子どもの権利条約をおうちの人と一緒に読んで、話し合ってみるといいですね。そして冬休みの自由研究として調べたことや感想を書いて学級の皆に見てもらってはどうでしょう。自分らしさを考えるヒントになりますよ。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。