Q 僕は4月からの明るい高校生活を期待していましたが、自信を持って受験した希望の公立高校に不合格となり、あまり考えずに受けた私立高校に進学することになりました。同学年でも僕とあと3人がこの私立高校に行くようですが、中学時代特に関わりのあった人でもありません。高校生活に全く希望が持てないでいます。
回答者 橋本尚典さん(北海道子どもセンター研究員)
A 人生で初めての入学試験だったのでしょうか? 不合格になった落胆は理解できます。私もはるか昔、同じ経験をしました。「まさか落ちるなんて」と思っていたので相当ショックでした。春休みはずっと自室にこもっていました。教科書購入や入学式は本当に夢も希望もなく暗い気持ちでいたものの、その後は友人や先生方にも恵まれて徐々に楽しく充実した高校生活を送ることができました。理由は三つあります。
一つ目は高校では私と同じように公立高校に不合格という経験をした仲間が多く心を軽くしてくれたことです。その中で自分を見つめ直し、「失敗することも人生にとってマイナスなことばかりではない」と思えるようになりました。
二つ目はさまざまな地域から生徒が進学してくるので個性豊かな仲間がいて、私も自分らしさを表すことができたことです。高校生ともなると大人に近づき、人との接し方も相手を尊重する姿勢が身につきました。
三つ目は先生方も多くはその学校にずっと勤めている方で、学問を教えようという気持ちで興味のもてる授業をしてくれたことです。私はその中で世界史の面白さに出合うことができました。今の私立高校はコース別や補習授業など、それぞれ特色ある教育を進めているので、勉強以外の学校生活も公立高校とは違った内容になっているはずです。
高校は大学への通過点ではなく大人に成長するために「自ら考える」ことを学ぶ期間だと思います。さらに、「自分はどういう生き方をしていくのか? そのためにはどういう進路を考えたらいいのか?」を考えつつ意味のある3年間を送ってほしい。今回苦い経験をした君なら考えることができるはずです。
最後に、もう入学して新しい道を笑顔で歩んでいることを前提に私から「入学おめでとう」と伝えたいです。
質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。