NIEニュース
北海道新聞に掲載されたNIE 関連の記事などを紹介します。

悩みごとナビ

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 小中高生のよくある悩みに答えます。執筆者は、子どもの心理を研究する北大大学院教育学研究院付属子ども発達臨床研究センター(札幌)と、電話相談に応じている元教員グループ「北海道子どもセンター」(札幌)の先生方です。取り上げてほしい悩みやテーマをお寄せください。

やりたいことが見つからない小5(40代男性)

  小5の息子の悩みです。「毎日、宿題とかを『やらなくてはいけない』と思ってやっている。でもやりたいことはなく、考えても浮かばない。前は科学者とか夢があったけど、今はやらなくてはいけないことだけで一日が終わる。妹はやりたいこととやりたくないこともハッキリしている。どうしたらいいか悩んでいる」とのこと。私は「勉強・遊びの毎日の中でやりたいことが見つかるよ。お父さんも、大人になって見つかったよ」と伝えました。でも息子は、大人までモヤモヤするのが嫌なようで納得していないようです。

回答者 加藤弘通さん
(北大大学院教育学研究院付属子ども発達臨床研究センター准教授)

  お便りありがとうございます。とても思春期らしい悩みだと思いました。
 というのも、「~がイヤ」から「~と比べて~がイヤ」と悩みのレベルが一段深まっているからです。この時期、多くの子どもは息子さんのように、今の自分から一歩離れて客観的に「みんなの中での自分」、あるいは「前と比べて」という形で「時間の中の自分」を見つめられるようになります。息子さんの場合、以前と比べて、また妹と比べてやりたいことがない自分がイヤなわけです。
 と同時に客観的になるということは、「悩んでいる自分」のことも考えられるようになることを意味します。「こんなことに悩んでいる自分がイヤになる」といった形で「悩むことに悩める」ようになり、悩みがさらに深まります。これは裏を返せば、今まで以上に深くかつ真剣に物事を考えられるようになったということです。
 そのように考えると、大人に出来ることは、解決よりも共感に比重を置くことではないでしょうか。私たち大人は問題と聞くと、すぐにそれを解決しようと考えがちです。しかしこの時期の悩みは、子どもたちだって深く考えた上での悩みなわけですから、簡単に解決を示されても納得いかないことも多いと思います。
 大事なことは「そんな時もあるよね」と寄り添うこと。また「それは大事なことだから急いで結論を出すよりも、ゆっくり考えてほしい」と伝えること。そして「きっと君にはそれを考える力があると思う」と支えることだと思います。

 質問は過去の相談事例や投稿を基に再構成しています。

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