自然が嫌いだ。
 虫がたくさんいるからだ。
 理由もちゃんとある。
 私が小学3年生のころ、姉がオオスズメバチに刺されてしまった。私は怖くてたまらなかった。姉が死んでしまうのではないか、など多くの不安が頭の中をよぎった。
 それ以来、私は自然が嫌いだ。
 ある日おじいちゃんから、近くの「くじら山」の開基百年記念塔にサイクリングに行こう、と言われた。断れずに、つらい坂道を上っている間はとても怖かった。だれかけがをするのではないか。道に迷うかもしれない。そんな不安をかかえながら自転車をせいいっぱいこいで、40分くらいかけてようやく着いた。
 記念塔のある頂上に着くと、とてもきれいだった。自然が少し好きになった気がした。
 このように、少しのできごとで好き嫌いが変わることも少なくはないのだ。虫は少し怖いけど、今の私は自然が好きだ。